ダイバーシティは儲かる。本質は「働くにも買い物するにもよい会社」を目指すこと--パク・ジョアン・スックチャ アパショナータ,Inc.代表/ダイバーシティ経営大賞記念講演


質問 パクさんのお話を聞いて、ダイバーシティはビジネスとして必要だということが理解できました。いま、日本企業はダイバーシティと言うと、女性の活用、女性の支援ということで動いています。それに対して、「女性だけではなくて、ほかの人も」というように進むのか、やはり女性がマイノリティなので「まず女性から」と進めたほうがいいのか。どう思われるでしょうか。

パク いまの日本の企業を見ていると、女性の問題は重要だと思います。しかし、それだけでなく、エイジダイバーシティで中年や若い世代、あるいは非正規社員と中途採用と正社員、そういうワーキンググループをいくつか立ち上げる。ダイバーシティと言っておきながら、女性しか取り上げないと、そこで終わってしまいます。

数年前、IBMで話を聞いたことがあるのですが、IBMではいくつかのグループを立ち上げてダイバーシティを進めた。そこでは、「アジア人」「女性」「性的少数者」などのほか、「男性」というグループもあった。そのときに「IBMでは男性だって、多様な要素の1つだととらえている」とおっしゃっていました。女性はもちろんメインの対象となりますが、ほかにもいくつかワーキンググループを立ち上げて進めればよいと思います。

質問 先日、少子化問題の講演を聞きに行きまして、少子化が緊急の問題であるということを認識しました。しかし、パクさんがおっしゃられたダイバーシティというのは、業績を上げることである、と。一見相いれないようなことに思えるのですが、少子化問題とダイバーシティを融合させるようなヒントがあれば教えていただきたいと思います。


パク 少子化問題はもちろん大切です。しかし、私はいまの日本企業は女性の支援に対しては充実しすぎているぐらいと思っています。私は外資系に勤めていましたが、2回とも産後3カ月で復帰しました。なぜかというと、産後3カ月以上休みを取ると会社に戻れても元のポジションには戻れなかったからです。外国では、女性の育児休業期間はそれほど長くない。特に私はアジアで働いたので、私が産前6週間、産後3カ月の休暇を取って復帰したときに、仲のいい香港の同僚に、「なんでそんな長い産休だったの?」と聞かれた。アジアでは、産前6週間、産後3カ月の休暇は「too long」なのです。

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