ダイバーシティは儲かる。本質は「働くにも買い物するにもよい会社」を目指すこと--パク・ジョアン・スックチャ アパショナータ,Inc.代表/ダイバーシティ経営大賞記念講演


 これからの日本国内経済は右肩下がりです。政府は内需拡大と言いますが、縮小する人口で、国内だけでどこまで内需拡大できるのでしょうか。では、何をするべきか。今年の旧正月、中国人が大勢来日しました。銀座に行き、三越で買い物をして、資生堂の化粧品を買い、秋葉原で電化製品を購入した。そこで企業側は何をしたか。デパートも、家電量販店も、化粧品店も、中国語を話せるスタッフを用意しました。それで三越は昨年の同時期と比べて売り上げが2倍になったと言います。それはそうです。中国語しかしゃべれない人は、中国語で対応してほしい。日本人も外国に行くと日本語で対応・説明してくれたりするお店に行きます。

日本人だけを見ていると市場は縮小しています。しかし、外国人を取り入れると、まだチャンスがある。これからは「アジア内需」に注目をして、それを活かすにはどういう人材を育てなければいけないのか。いろいろな外国人のお客さまがやってくるのだから、国内の人材もグローバル化していかざるをえない。それを実行する企業は、将来うまくいくと思います。

それでは、どうすれば人材のグローバル化が実現できるのでしょうか。いろいろな人を集めてくればいいのか、私のような外国人を雇い、障害者を雇えばいいのか。しかし、上手にマネジメントをしないと、かえって生産性が悪く、異質な人材がフリクション、摩擦を起こす。そうしてチームの生産性が下がる。ですから、摩擦を起こさないように、お互いリスペクトし、より高い能力を発揮し、競争力につなげていくには上手にダイバーシティ・マネジメントをする必要がある。このことを社員にも理解してもらわなければならないので、外国企業では異質なものに対しての見方や固定概念、偏見を見直すダイバーシティ研修を行っているところが結構あります。

偏見や固定概念を取り外すことが第一歩

最後に、何年か前に新聞を読んでいて、「これはダイバーシティを理解する良い例だ」と思った記事を紹介したいと思います。日本人女性初の宇宙飛行士である向井千秋さんのご主人の向井万起男さんが書いていた記事ですが、面白いクイズになっています。

父と息子が並んで道路脇に立っていた。そこに自動車が突っ込んできて、2人をはねてしまった。2台の救急車が現場に急行して、それぞれ父と息子を別々の病院に運んでしまった。大ケガだった息子は、すぐに外科手術を受けなければいけない状態だった。ところが、外科医が呼ばれたところで、外科医は患者を見るなり、「これは私の息子です。自分の息子は手術できないので、ほかの外科医に任せます」と言いました。

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