ダイバーシティは儲かる。本質は「働くにも買い物するにもよい会社」を目指すこと--パク・ジョアン・スックチャ アパショナータ,Inc.代表/ダイバーシティ経営大賞記念講演

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 これはいったいどういう状況だったのかを説明してください、というクイズです。答えはいくつかあります。向井さんの答えは、「そんなの簡単だよ。息子がいる夫婦が離婚した。女性は息子を連れて再婚し、息子は継父と道路脇に立っていて、息子が運ばれた病院の外科医は息子の本当の父だった」。そうするとアメリカ人が「そうじゃない。別の答えがある」と言ったのです。そのいちばん簡単な答え、それは「外科医が息子の母親だった」。向井さんは医者なので、「外科医=男性」という意識があった。

彼はドキッとして、「外科医と言えば男性」という固定的な概念にとらわれた自分を恥じた。確かに外科医の総数3万人のうち、女性は約600人。その数は増えているようですが、「外科医=男性」や「社長=男性」などの偏見をまず取り外すということが、ダイバーシティ尊重に進んでいく第一歩だと思います。まずは自分がどういう偏見とか固定概念を持っているかということに気づいてみてはいかがでしょうか。

【質疑応答】

質問 ダイバーシティを進めるには多様性を受け入れる必要があると思うのですが、価値観とか考え方を変えていくうえでのヒントあるいはポイントがあればお願いします。

パク まず自分と違う人たちと接することだと思います。ランチも友だちとだけで行くのではなく、ちょっと違う人と行ってみる。ある研修で、「ダイバーシティを尊重するために、まず何からできますか」と質問をすると、「あいさつ」と答えた人がいましたが、これも大切なことだと思います。あいさつも自分の友だちにしかしない人がいますが、「相手を尊重する」というのは、たとえば「派遣さんだから、ちょっと自分とは違う」「自分とは違う部署の人だから」というようにシャットアウトするのではなく、きちんとあいさつをすることです。

海外へ行く経験をされてもいいと思います。特にアジアの国は、すぐそこにあるけど、日本とはすごく違う。以前、どこかの国でタクシーの窓を開けようとノブを右に回したら、反対回しだったことがあります。ドアは自動ではないし、日本とはいろいろなところが違う。そういうことを経験すると、「あっ、日本とは違うな」と、まず「違い」というものが実感できると思います。

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