スマホは子どもの人格形成を阻害する
同じく胸がどきどきする言葉で、さまざまなことを警告してくださっているのが、柳田邦男氏です。
柳田氏は「人の痛みを感じる国家」などでも繰り返し、「子どもが持つ一日の持ち時間には限りがある。その大半をバーチャル・メディアに接すると、仮想現実と現実が逆転する。それは言葉の発達や感情のきめ細やかな分化発達の遅れにつながり、相手の気持ちや感情を察することができなくなり、対人関係が上手く作れなくなってしまう」と指摘されています。その他自己中心的な性格になりやすい根拠を詳しく説明してくださっています。
柳田氏はまた、社会を驚かせた異常な少年少女・若者たちの犯罪の背景に、ネット依存があった事例を多く取材されて、幼少期の親の愛情不足による人格形成のゆがみについても指摘されています。子どもがスマホに使われるか否かは親子関係がカギです。
ヒカル様、子どもたちのスマホ使用が即、依存症や犯罪につながるわけではありません。しかし幼少期から、打てば簡単に言葉が出てくるケータイ・パソコンによるコミュニケーションでは「思考力や感性は育たない、情緒豊かな心の発達が阻害され、他者へ向ける言葉への責任感が欠落する」という書家・石川九楊氏の指摘は、貴女の現在のご懸念と通底していると思われます。
中学・高校まではスマホ持ち込み厳禁
ちなみに現在の学校では、どのように指導されているのでしょうか。地方で小・中・高校生を育てている私の姪・奈香子(仮名)に聞いてみました。
彼女の知る限りの中学校では、ケータイ・スマホは原則、学校への持ち込みは禁止で、保護者からの許可申請があり認められた場合だけ、電源を切ってロッカーに入れ管理されるそうです。この高校の場合は持ち込みは可能、学校内での使用は禁止、使用を発見されれば厳罰です。ちなみに小学校についても問い合わせましたが論外だったようで、触れてもいませんでした。
いずれもケータイ・スマホは高校までの勉学には不要と認められている証拠で、通学時の使用は自由ですが、それは親が指導しなさいということですね。
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