子どもを“IT音痴”に育てよう スマホが壊す人間関係

✎ 1〜 ✎ 61 ✎ 62 ✎ 63 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「高校生までのスマホ使用は親が管理」が多数派

一般家庭でのケータイ・スマホの取り扱い方についても尋ねましたところ、「断固持たせない、持たせる必要がないという家庭は超少数派で、親が使用のルールを作り、その約束の下でスマホを持たせる家庭が多数派」ということでした。

奈香子宅では、「ケータイの契約者は親だから親の持ち物。だから管理責任は親にあり、子供の個室への持ち込みも目覚まし代わりの使用も禁止」など、いろいろルールを決めているそうです。

ちなみにこの高校は進学校ですが、やっと進学できたお祝いにスマホをプレゼントされたのでしょうか。ある学友が、スマホゲームやSNSにはまり、生活習慣が乱れ、授業中の居眠り→成績は低下し部活も退部と、絵に描いたような負の連鎖から抜け出せないでいるそうです。成績の安定している生徒ほど、スマホに使われず、その使用も自制が利いているとも報告してくれましたが。

保護者会でも「スマホ依存の恐怖」についてはレジュメが配られ、家庭での指導依頼があるそうです。スマホを使うかそれに使われないかは、ここでも家庭教育と親子関係が鍵となっています。子どものご機嫌を取る親が多い昨今に、大丈夫でしょうか?

スマホが壊す人間関係

私の友人は成人した彼女の子供たちが、母親が心を込めて作ったお料理の前で、平気でメールをするようになった子どもたちの行儀に大不満。「結婚してその癖を家庭に持ち込むと、婚姻関係の破たんが避けられない行為だ」と子供に注意しても、治らないそうです。

私は最近長時間の汽車の旅をしましたが、若いママがずっとスマホを繰っていて、その前で4歳くらいの男の子が、じっと母親のその姿を見つめていました。何度も確認しましたが、ずっとそのままの光景で、子どもも慣れたものでした。

他にも、若い日本人の男女のカップルが遠いロンドンまで来て、カフェで1時間以上、ほとんど何も話さず何かを食べながらスマホとにらめっこ。

上の三例は一見いずれも小さな問題のようですが、私には大きな問題をはらんでいるように思えてなりません。一昔前にはなかった光景です。

次ページ「読む」「書く」の重要性
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事