同僚との「直接の会話」が減る今配慮したいこと 「他の人の忙しさ」が見えず、不安になる人も

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もちろん、監視されているようで嫌という賛否両論あることは承知したうえですが、それほど、追いつめられているとも言えます。そこまでの心理状態ではなくとも、他人との兼ね合いが不透明な中で、「みんなそう思っている」「普通はできるのになぜあなたは」などの言い方が、ダメージを与えることは想像にかたくないと思います。

こうした表現を避け、Iメッセージ(一人称)を使って、自分の意見として相手と接することが大切です。マイナス意見や指摘を言いづらいときに、自分以外の人を引き合いに出したくなるかもしれませんが逆効果です。自分発信は、相手との信頼関係を育むためにも必要です。

「曖昧さ」を避ける

「この前のあれ」「先週頼んだ件」「前回と同様に」など、自分の中ではわかっていても相手からすると「何のこと?」と戸惑う原因になります。いつも一緒に仕事をしている間柄だからこそ、やりがちなので気を付けましょう。たまにやり取りする相手などには詳しく説明するのに、いつも一緒に仕事をしている相手に対しては、「わかっている」という前提で関わりがちなので、内容を端折る傾向があります。

家族などもそうですが、身近な相手ほど、配慮が必要です。

多くを言わずとも「わかっているだろう」「わかってくれるはず」という依存や甘えが、行き違いや不信感を生む原因となります。例えば、上司からの指示の内容が何かを探すために、メールやチャットを見返す膨大な時間がかかったり、勘違いして違うことをしてしまったりすることで、モチベ―ションも下がります。

こうした対応を受けると、場合によっては自分は必要とされていないのではないか、どうでもいい存在だと思われているのではと感じる人さえいます。

そうすると、ますます人と関わることが怖くなり、緊張感が増すという悪循環になるのです。一から十まで説明する必要はありませんが、いつも関わりのある人にこそ、具体的なわかりやすいフレーズを入れてやり取りをすることが重要です。

また、文字ツールだと、前置きは短く、簡潔さが求められますが、文字だけのツールの場合は、ニュアンスが伝わりづらく冷たくとらえられてしまうこともあります。相手の心理状況によっても受け取り方が左右されるので、時にはねぎらいの言葉なども意識的に入れていくとよいでしょう。少しの気遣いをすることで、心が通じ合うやり取りが可能になることを願っています。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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