視聴率〇%のネット記事が的外れで無意味な訳

追い込まれたテレビがついに変わり始めた

「2桁好発進」「1桁で低迷」はまったく気にしなくていい時代に変わってきています(写真:ナオ/PIXTA)

2月16日、TBSが4月期の番組改編説明会をオンラインで行い、新たな方針を発表したことが業界内をざわつかせています。

7年ぶりにゴールデン帯、プライム帯の改編率が30%を超える大幅な変化にも驚かされましたが、それ以上に注目を集めているのは、視聴ターゲットの見直し。TBSは昨年13~59歳を「ファミリーコア」と呼んで、その層に向けた番組制作をはじめたばかりでした。しかし、「今春からさらに年齢層を10歳若返らせた4~49歳を『新ファミリーコア』と名づけて重点ターゲットにする」というのです。

ちなみに民放他局では、日本テレビが13~49歳を「コアターゲット」、フジテレビが13~49歳を「キー特性」と呼んで重点ターゲットに設定。一方、「民放では最も高年齢層向けの番組が多い」と言われているテレビ朝日ですら、お笑いのネタ番組を増やすなど、ファミリー層や若年層に向けた番組制作をはじめています。

取引に使われない世帯視聴率

これら重点ターゲットの変化は、昨春に行われた視聴率調査のリニューアルによるもの。これまでの「どれだけの世帯が見たか」を示す世帯視聴率に加えて、「どんな性別・年代の人がどれだけ見たか」を示す個人視聴率が全国的に調べられるようになったのです。

そこに、コロナ禍による大幅な広告収入減が加わったことで民放各局は、より多くのスポンサーが求める10~40代向けの番組制作を否応なしに求められることになりました。逆に「世帯視聴率が高くても高年層がメインの番組は評価されない」など、もはや世帯視聴率は取引で使われないものになったのです。そもそもこれまでの世帯視聴率は、「誰が何人見ているかわからない」という極めてあいまいなデータにすぎず、民放各局はようやくそのような指標から抜け出しました。

テレビは旧態依然とした視聴率の扱いからようやく抜け出すべく、苦しみながらも前へ進みはじめました。しかし、各メディアが報じているのは依然として世帯視聴率がほとんどなのです。

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