テレビ「総コロナチャンネル化」の強烈な違和感 「見ずにはいられない」心理を突く罪深さ

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「外出自粛」をミスリードしたのは政府だけではなかった(写真:roibu/iStock)

西村康稔経済再生担当相、田村憲久厚生労働相、小池百合子東京都知事らが相次いで不要不急の外出自粛を呼び掛け続けています。

これは緊急事態宣言が再発令されたにもかかわらず、人出が十分に減らなかったからであり、とりわけスポットを当てているのは昼の時間帯。西村経済再生担当相が「昼間でも感染リスクは変わりません。夜だけでなく、昼の外出も控えてください」、田村厚生労働相が「午後8時以降でなくても、不要不急の外出はなるべく避けていただきたいというのがわれわれの思い」、小池都知事が「昼夜を問いません。不要不急の外出を自粛してください」などとコメントしました。

これらのコメントは菅首相が“午後8時以降”を強調した外出自粛要請を行ったことによる誤解を解く必要性に迫られたものでしたが、ミスリードしたのは政治家たちだけではありません。多くの報道・情報番組が早朝から深夜までコロナ関連のニュースを報じ続け、その中で“午後8時以降”という部分を再三ピックアップしていました。

確かに、昼の外出自粛にほとんどふれなかった菅首相のコメントや話し方に問題があったのは間違いないでしょう。しかし、それにほとんど異を唱えずに報じて世間に広めたあげく、人出が減らなかったという結果を経て、「あの言い方は失敗だった」と批判に転じるメディアの姿勢にも疑問を抱かざるをえないのです。

スタッフを各駅や繁華街に連日送り込む

ただ、報道・情報番組のミスリードは、“午後8時以降”だけではありませんでした。

今なお多くの報道・情報番組が連日スタッフを各駅や繁華街に送り込み、人出の様子を伝えるとともに、街頭インタビューを実行。「人の混み具合は変わっていないですね」「僕は通勤しなければいけない仕事だから……」などのコメントを映して不安をあおったり、「昼の外出くらいいいかなと思って」「家にいなければいけないんでしょうけど我慢できなくて」などのコメントを映して視聴者の怒りを誘ったりしています。

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