テレビ「総コロナチャンネル化」の強烈な違和感 「見ずにはいられない」心理を突く罪深さ

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もちろん、「感染しないこと、感染させないこと」の大切さを伝え、セルフメディケーションを浸透させようとする特集などの意義深いものもありますが、あまりに多く、長く、扇情的な感は否めません。多くの人々は不要不急の外出を避け、まじめに自宅で過ごしているだけに、テレビは楽しみを与え、笑顔にさせる番組をもっと放送してもいいのではないでしょうか。

テレビは外出自粛に従う人々に楽しみを与えているか

政府が「昼も夜も外出しないでほしい」と言い、それに従う人々がいるのですから、テレビはもっと日中にコロナ以外の番組を放送して楽しみを与えてもいいはずです。たとえば、子ども向けのアニメや映画、大人向けのドラマやバラエティーなどを各局が交代で放送すれば、ふだん何かと叩かれる機会の多いテレビにとってはイメージアップのチャンスでしょう。逆にこのまま横並びで、コロナ関連の報道・情報番組ばかり放送していたらイメージダウンは免れません。

「そう簡単にはいかない」のはわかっていますが、現在は緊急事態。ふだん視聴率争いをしている各局が一時休戦し、業界全体の底上げを図ることができれば、のちに各局が恩恵を受けられるでしょう。「緊急事態宣言時にどんなことをして人々を楽しませたか」はテレビに限らず、他の業界にも当てはまること。企業単独ではスケールメリットが限られているだけに、業界全体でそれを考え、実行することが大切なときのように思えてならないのです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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