スタンフォードという職場…からの転職活動 連載打ち切りの危機!? 学者の就職活動の話

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前回の記事から、またしばらく空いてしまいました。6月初めまで授業、そのあとすぐに研究集会の主催(すごく苦手!)をしていて、思ったよりずいぶん忙しかったので。

アメリカの大学は8月か9月に年度が始まって、5月か6月くらいに年度が終わります。9カ月契約で、残りは長〜い夏休み。休みを利用して研究集会に出掛けたり、外国出身者なら出身国に帰省したりする季節です。

というわけで、今はちょっと今年1年を振り返るモードになっています。日本では完全に時期外れですが、どうかご容赦を。

研究者志望の大学院生、卒業後の進路とは?

今年はちょっと研究以外のことが忙しかったなぁと感じている。というのも、実は就職(転職)活動をしていたのだ。転職となると本連載のタイトル「スタンフォードの研究室から」は詐称になってしまう。この連載は、打ち切りになってしまうのか?

というわけで、今回は学者の就職活動の話を書こうと思う。ちょうど僕の学生たちも就職して卒業したし!

スタンフォードの卒業式……の写真は残念ながら見つからなかったので、代わりに母校ハーバードの卒業式風景(こじつけ)を!

以前、少しだけ書いたような気がするが、アメリカの経済学者の場合、大学院に何年か(最近は6年くらいがいちばん普通)在籍しつつ、論文ができたら卒業し、就職活動をする。

卒業までの時期は厳密には決まっていなくて、就職が決まったタイミングで卒業するのが一般的だ。

大学院からの進路はいろいろあるが、学部側としては、自分のところの学生をなるべくアカデミアに送り込むよう努力することになっている。

もちろん、実際には、みんながみんな学者になるわけではなく、IMFや世界銀行などの国際機関やアメリカの中央銀行にあたる連邦準備銀行、ほかにも金融機関やコンサルなど就職先はいろいろだ。

最近だと経済学者がマイクロソフトやグーグル、フェイスブックなどといったテック系の会社で働くケースも増えてきたように見えるが、これが目立つのはシリコンバレーとの関係が深いスタンフォードならではという部分もいくらかはあるかもしれない。※6月にスタンフォードでやったEC (economics and computation)という研究集会のウェブサイトを見ると、Microsoft、 Google、 facebook、 Yahoo!、 ebayがスポンサーになっていることがわかる。

僕も自分の新卒時の就職について詳しく書こうと思ったのだが、それももう6年以上前になってしまったので少しうろ覚えだ(とはいえ自分の学生を送り出す側と新卒を採用する側の両方をやっているから、なんとなくの事情はわかっているけれども)。

それに、アメリカの大学院からの新卒就職事情を紹介している日本人のブログなどもいくつかある。※たとえば大阪大学経済学部の安田洋祐さんのブログや、メキシコ自治工科大学経済研究所の手島健介さんのブログなど。僕がしていただいたインタビューでも少し触れています。

ここでは、ちょっとした差別化のつもりで(?)、「学者の転職事情」、今年の僕の体験を書いてみたい。

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