アマゾンCEOを退任「ベゾス氏」の微妙な引き際 コロナ禍で業績は絶好調の一方、課題も山積

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ベゾス氏のCEO退任は「彼の個人的な決断」とオルサフスキー氏は述べた。「アマゾンのような場所でのCEOの役割はあらゆるものを含んでおり、ほかのことをするための時間はほとんどない」。

世界最大のデジタルゲートキーパーとなったインターネット企業のほかの創業者たちも、財産が膨れ上がり、個人的なプロジェクトにより多くのエネルギーを注ぎ込むにつれ、日々の責任から退いている。

2019年には、スタンフォード大学の大学院在学時にグーグルを設立したラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏が、同社親会社アルファベットの幹部職を退いた。彼らは、弟子であるサンダー・ピチャイ氏にその経営を任せた。

弁護士や規制当局の目は厳しくなっている

アマゾンの業績が絶頂期を迎える中、ベゾス氏はCEOを退こうとしているが、その一方で同社は複数の課題に直面している。その絶大な影響力を不公正な形で行使していないか、アマゾンは世界中の弁護士や規制当局から日増しに強まる調査を受けている。

近年はプライベートでも注目を集めていた。写真は2019年5月に首都ワシントンで行われたイベントに登壇した時のベゾス氏(撮影:Tom Brenner/The New York Times)

昨年11月、EU規制当局はアマゾンがその規模とデータアクセスの優位性を利用し、顧客との接点を同社に依存する小規模事業者に不利益を与えていることは競争法に違反するとし、アマゾンに対して反トラストの訴えを起こした。2月2日には、アマゾンは2016年から2019年にかけての配送ドライバーへのチップ未払い問題で、連邦取引委員会に対し6200万ドルの和解金を支払うことに合意した。

アマゾンはまた、従業員が130万人に膨れ上がる中で強まる労働者たちの不満への対応に苦慮している。昨年、同社の倉庫作業員の一部がパンデミック下の安全対策に不快感を示し、アマゾンに緊急措置と更なる積極雇用といった対応を取らせた。最近ではアラバマ州ベッセマーのアマゾン・フルフィルメントセンターの労働者たちが労働組合を立ち上げようとしている。

激しい競争も依然として続いている。国内最大の小売業者であり自ら業界を変革する力を持つウォルマートは最近、アマゾンプライムに対抗し「ウォルマート・プラス」と呼ばれる競合サービスを立ち上げた。同社はアマゾンと歩調を合わせるべく人材とテクノロジーに対する大規模な投資を行い、Jet.comやほかの多くのeコマース企業を買収してきた。

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