「三洋とハイアールの融合はこれからだ」 日本・東南アジア担当のトップに聞く
ものづくりの工程を変える
――なぜアマダナと業務提携したのか。
アマダナは好きなブランドの一つだった。製品のデザインだけでなく、これまでも(家電量販店だけなく)原宿に自社の販売店舗を構えるなど、売り方の差異化を図っている。商品のストーリーをどう消費者に訴えるか。その点でアマダナの取り組みは興味深かった。
今、家電市場には多くのナショナルブランドの製品がひしめき、課題は差別化だ。そこで重要なのは、ユーザーに新たな体験を提供すること。その方法を考えているときにアマダナの熊本社長と出会い、波長が合った。
重要なのは商品そのものより、モノを作る過程を変えることだ。そこでカギとなるのが、「オープン・プラットフォーム」と「コ・クリエーション」の2つ。オープン・プラットフォームとは、商品開発の過程を、インターネットを介してオープンにしていくこと。すでにアマダナは「アミダス」というプラットフォームを所有している。そのプラットフォームを活用し、開発過程でつねにユーザーとコミュニケーションをとって、ユーザーに受け入れられるかの確認作業をしていく。これがいわば、コ・クリエーション(共創)だ。モノを出した後にも改良は続ける。商品に完成形はないと思う。
既存の商品開発では、ユーザーの欲しいモノとメーカーの開発現場との間で、どうしても認識のギャップがあった。だがオープン・プラットフォーム上では、その距離はゼロになる。重要なのはスピードだ。通常なら新商品の企画から発売まで1年半はかかるが、年内には製品を発表したい。
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