「目が死んでる」と言われた人が知るべき改善法 「眉毛」も他人に与える印象を左右している
俗に言う「目力」を身に付けるには、アスリートくらい真剣に見る対象があるといい。
演出家としての経験をもとに言えば、俳優もよい演技をする人は、相手役の演技を真剣に見て「芝居を返す」ものだ。演出家は俳優の演技を普段から真剣に見ているから、目力のある人が多い。
さて、アスリートでもなく俳優でもない人は何を意識すればいいのだろうか。目を輝かせるためには、好きなものを見る習慣があるといい。
映画でも演劇でも美術館でもいい。私はなるべくお金を使ったほうがいいと思う。お金を使ってみれば、使った分は元を取ろうとして真剣に見る。映画も、映画館で観るのとDVDで観るのでは、観るほうの姿勢がまったく違う。
感動の大きさが異なるのは、画面の大きさや音響の良し悪しだけからくるものではない。お金と時間(労力)を使っている分、映画館では真剣に観る(もちろん、自宅でDVDを観る楽しみは別にある)。
今はネットで探せばかなりのものを無料で観たり聴いたりすることができるようだ。しかし、それを繰り返していては目力を養えない。
職場には、PCや事務用品、エアコンやテレビのリモコンなど、普及用であまり美しいとはいえないものがあふれている。目に滋養を与えるためには、毎日目を向けるもの、たとえばカレンダーだけは美しいものを使うといい。私はカレンダーには、なるべくお金をかけるようにしている。
眉を動かしていますか??
他人への印象を考えるうえでは、実は眉毛も侮れない。俳優の養成所で教えると、日本人は眉毛の動きに無頓着であることに気付かされる。
俳優になりたいぐらいだから、子供のころから映画やテレビドラマは人より見ているはずだが、俳優の眉毛の動きまで注視してきた人は少ないようだ。
世界的に見ると表情の少ない東洋人の中でも、とりわけ日本人の眉毛は動かないから気にならないのだろう。俳優の阿部寛などは日本人としては特殊なくらいに眉毛が動き、それで感情表現をしているが。
アメリカのテレビや映画は、英語圏を相手にしている分、マーケットが世界に広がっている。俳優は外国でも誤解の少ない、はっきりした感情表現を身に付ける必要がある。イギリス、オーストラリア、インドなど英語圏はその傾向が強い。
フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル語圏は、ラテン特有の感情表現の多い俳優が多い(抑えた感情が持ち味の人もいる)。西洋でも、北欧やドイツなどマーケットの小さな国の映画は、感情表現は抑える傾向がある。自国の人にだけ通じればよいという〝造り〟なのだろう。
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