クリーマが貫いた「数字だけで評価しない」価値 なぜベンチャーが「大手資本」に勝てたのか

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クリーマ社長の丸林耕太郎氏に競合サービスとの違いを聞いた(筆者撮影)

ハンドメイドの洋服、アクセサリー、家具などと消費者をつなぐマーケットプレイス「Creema」を運営するクリーマが2020年11月27日に上場。4850円をつけた初値は公募価格を4割上回った。PERが100倍を超える数字は、市場が同社の将来性を高く評価した結果と言えるだろう。

ハンドメイド製品をネット上のマーケットプレイスで販売、消費者とクリエイターをマッチングさせるというビジネスモデルは、アメリカのEtsy(エッツィー)が最初の成功例として注目された。エッツィーは現在、年間総取引額で1兆円を超える規模にまで成長している。

そうしたアメリカの事例に倣い、日本でもさまざまな企業が参入したものの、現在、メジャープレーヤーとして生き残っているのは2社だけ。1社はGMOペパボ、もう1社がクリーマだ。

実は筆者は運営するクリーマの上場記者会見を取材していたのだが、そこで最も興味をひかれたのが、名だたる大手資本が参加しながらも、最終的に残った2社の片方がベンチャーだったことだ。

なぜ彼らは大きな資本力を背景とした類似サービスと戦い、生き残ったのだろうか。

競合との違いは「コンセプトとアプローチ」

Creema最大のライバルはGMOペパボが運営するminneというサービスだ。流通総額はCreemaとほぼ同じ規模だが、登録クリエイターの数はminneが4倍の規模を誇る。この数字だけを聞けば、minneのほうが市場に受け入れられていると考えるかもしれない。

しかし商品を販売するクリエイターが4倍にもかかわらず、売り上げが同等ということは、言い換えればクリエイター1人当たりの決済額に違いがあるということになる。

両サービスは現時点において、極めてよく似た設計になっており、重複して商品を販売するクリエイターも少なくない。そうした中でCreemaのほうが平均決済金額が高い理由は「プロやセミプロが中心のマーケットだから」(クリーマ社長の丸林耕太郎氏)だと話す。

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