コロナ禍で低価格テレビが売れ始めている事情 ネット配信動画をテレビで見る人が増えている

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コロナ禍で「テレビの楽しみ方」も変化している(編集部撮影)

コロナ禍の中で需要のさまざまな変化が報告されているが、必ずしも市場に定着するとは限らない。例えばパソコンはテレワーク需要で一気にノートPCを中心とした製品の売り上げが伸びたが、長続きせず6月以降はその効果も失われている。

一方で明らかに需要動向が変化しているのがテレビ市場だ。

もちろん、在宅時間が長いことで伸びた”巣ごもり需要”は数多くあり、テレビもそのひとつではあるが、緊急事態宣言が終わった後も安定した需要の伸びを示している。初期の売り上げ増加は巣ごもり需要と言って差し支えないだろうが、6月以降の安定した伸びは、テレビという商品のあり方が変化し、消費者の中で定着しているのが理由と考えられる。

その背景にあるのが、テレビ視聴スタイルの変化だ。そしてテレビの使い方が変化することで、テレビ受像機の市場にも影響が及ぶことが予想される。

「ネット配信動画をテレビで見る」時間が急伸

中でも注目したいのがNetflixやAmazonプライムビデオ、Hulu、YouTube、TVer、Abemaといったネット配信動画の視聴時間である。各社とも会員数などは公表しているが、実際の試聴時間となると明確な数字は上がってこない。

しかし、東芝が自社テレビに搭載されているネット動画再生機能の利用傾向を集計したところ、ネット動画の視聴時間は1日平均55.5分だった昨年12月に比べ、今年6月には98.2分と77%増と短期間で大幅な増加になったという。

新型コロナウイルスの流行が始まったことで、テレビの視聴時間が伸びることは、実際の動向を集計しなくともわかりそうなものだが、実際にテレビ放送の視聴時間と比べると、ユーザーの視聴動向に大きな変化が起きていることがわかる。テレビ放送の視聴時間は、非常事態宣言中でも5%程度しか伸びていなかったからだ。

テレビの視聴動向には別のデータもある。スイッチ・メディア・ラボの調査によるとコロナの影響を受ける前と後で、テレビ視聴は約15%ほど伸びていたが、20代に限ってみると20%前後も平均視聴時間が伸びていた。

その理由として挙げられていたのが映画番組の視聴時間が大幅に伸びたこと。ジャンル別では圧倒的に長編映画の伸び率が高かったという。

次ページその背景には…
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