泥酔防止に「トマトジュース」が効く医学的根拠 ウコンやシジミは予防できるほどの効果なし?

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さて、アルコールを分解してできたアセトアルデヒドは、「アルデヒド脱水素酵素」によって酢酸に分解されます。ここまでが肝臓の役割です。
酢酸は、肝臓を出て血液の流れに乗って全身をめぐり、筋肉や心臓、脂肪組織などで「TCA回路」と呼ばれるエネルギーを生み出す回路に入ってエネルギー源として使われ、最終的には二酸化炭素と水に分解されます。

お酒を飲んで酔いを感じるまでには少しタイムラグがありますよね。お酒を飲んでから、アルコールが胃や小腸から吸収されて、肝臓を経て全身にまわり、脳に到達するまでにはちょっと時間がかかるからです。

さらに、アルコールを完全に分解するのにはもっと時間を要します。個々の体質にもよりますが、1時間に分解できるアルコールの量の目安は、「体重1kg当たり0.1g」と言われています。つまり、

1時間に分解できるアルコール量(g)=体重(㎏)×0.1

です。アルコールの代謝のほとんどを担っているのが肝臓ですが、肝臓の大きさは、体格(脂肪を除いた体重)にほぼ比例していると言われるため、体重が大きい人ほどアルコールの分解速度が速い傾向があるのです。

例えば、体重70kgの男性が1時間に分解できるアルコール量は、先ほどの計算でおよそ7gになります。ビール中瓶1本、日本酒1合のアルコール量は、それぞれ20gです。つまりビール中瓶1本、または日本酒1合のお酒が抜けるまでには体重70kgの人で3時間ほどかかるということ。当然、お酒の量が倍になれば、その倍ほどの時間がかかります。

「ほどほどに」とはどれくらい?

アルコールの代謝にはそれなりに時間がかかることを考えると、お酒はやっぱり「ほどほど」が大事です。その「ほどほど」とはどのくらいかと言うと、純アルコール量で1日20g程度まで、と言われています。

お酒の種類別で見ると、次のような量が目安になります。

  • ・日本酒1合(180ml)
  • ・ビール中瓶1本程度(500ml)
  • ・ワイン2杯弱(200ml)
  • ・焼酎(25度)グラス1/2杯(100ml)
  • ・ウイスキー・ブランデーダブル1杯(60ml)
  • ・缶チューハイ(7%)缶1本(350ml)

これは男性の場合の適量なので、女性の場合はこの1/2~2/3を目安にしてください。この量、お酒が好きな人にとってはちょっと物足りないくらいでしょうか。

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