泥酔防止に「トマトジュース」が効く医学的根拠 ウコンやシジミは予防できるほどの効果なし?
飲みはじめる前には「ほどほどに」と思っていても、つい飲みすぎてしまうこともあるかもしれません。私自身もお酒も好きなので、正直なところ、適量を超えて飲んでしまうこともあります。つい飲みすぎたな、というときにおすすめなのが、トマトジュースです。
お酒による酔い過ぎの予防と言えば、ウコンに含まれる「クルクミン」という成分やシジミに含まれる「オルニチン」が有名ですが、残念ながらどちらも医学的根拠は不十分です。ウコン飲料を飲むことでアルコール摂取後の体調への好影響を示すデータはありますが、微々たる変化で、酔いを軽減できるほどの効果は期待できません。シジミのほうも同様なのです。
一方、トマトジュースについては、少人数の研究ですが、人の血中アルコール濃度を低下させる作用が報告されています。
トマトジュースを一緒に飲むと血中濃度が低い
トマトジュース缶(160ml)3本と焼酎(ストレート100ml)を同時に飲む場合と、水と焼酎を飲む場合で、血中のアルコール濃度がどう変わるかを比較したところ、30分後、1時間後、2時間後、3時間後のいずれも、トマトジュースを一緒に飲んだほうが有意に低くなっていました。最高血中濃度で、約3割も低かったのです。
また、体内にとどまるアルコール量も約3割少なくなると推計されたほか、体内からアルコールが消失するまでにかかる時間も、トマトジュースを飲まなかったときには平均5時間かかったのに対し、トマトジュースを一緒に飲んだときには平均4.2時間と、50分ほど早くなりました。
別の研究では、同じアルコール濃度のトマト酒と焼酎を飲んだ場合で、血中のアルコール濃度や体内からアルコールが消失するのにかかる時間を比べたものもあります。この研究でも、トマト酒を飲んだ場合のほうが、血中のアルコール濃度が3割ほど低くなり、体内からアルコールが消えるのにかかる時間も短くなりました。
お酒と一緒にトマトをとることで、血中のアルコール濃度が急激に上がるのをおさえることができ、酔いのまわりがゆるやかになり、酔い覚めも早くなるということです。
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