米国市場になだれ込む、鉄鋼各社の台所事情

拠点を持たないJFEはどう動く?

セベルスタリのディアボーン製鉄所。周囲にはビッグスリーの工場が数多く存在する

「コスト削減ばかりではどこかで行き詰まる。並行して新たな成長の種をまかねばならない」。国内鉄鋼2位、JFEスチールの幹部はそうつぶやいた。ひょっとすると、その種は“新大陸”にあるのかもしれない。

日系鉄鋼メーカーの視線が米国に集まっている。国内首位の新日鉄住金は昨年11月、世界最大手のアルセロールミタルと共同で、アラバマ州にある独ティッセンクルップの工場を1550億円で買収。国内3位の神戸製鋼所も5月26日、同州に数百億円を投じ、現地の飲料缶メーカーや豊田通商と合弁で自動車用アルミパネル工場を2017年に稼働させると発表した。

セベルスタリの工場に食指?

こうした中で注目を集めているのが、JFEの動向だ。

同社が食指を動かしているとうわさされるのが、ロシアの大手鉄鋼メーカー、セベルスタリがミシガン州とミシシッピ州に構える2つの工場だ。セベルスタリは米フォードから2004年に製鉄所を買収し、米国市場に参入。2013年の粗鋼生産量は約500万トンと、米国では中堅に位置する。

ただ、設備投資のための借り入れがかさんだことや、中国などからの輸入鋼材の価格攻勢を受け、業績が低迷。2007~2013年の7年間で計32.5億ドルの最終赤字を計上した。

5月上旬には米ウォールストリート・ジャーナルが、セベルスタリが北米の一部事業を売却すると報道。米国最大手のUSスチール、ブラジルのナショナルスチールのほかに、JFEが応札に興味を示しているとも伝えられた。JFEの広報担当者は本誌の取材に対し、「あらゆる可能性を検討している」と、明確に否定しなかった。

次ページなぜ北米になだれ込んでいるのか
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本野球の今そこにある危機
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 日本資本主義の父 渋沢栄一とは何者か
  • ドラの視点
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT