ビジネスプランは死語、A4一枚で起業できる アイデアはプレゼンでなくピッチで売り込め

このバブソンで10年以上にわたって教鞭をとる日本人・山川恭弘准教授が、同校で教える起業道を、平易にまとめ、脚本家の大前智里氏とタッグを組んで執筆したのが、『全米ナンバーワンビジネススクールで教える起業家の思考と実践術』だ。ストーリー形式で、アントレプレナーシップが学べる本となっている。
同書では「失敗はラッキー。小さな失敗が成功を生む」とするDr. Failureなるメンターが登場するが、それは実際にバブソンで、「失敗博士」(Dr. Failure、Failure Guy)として、失敗を成功に導く「失敗学」を教える山川氏の姿を彷彿とさせる。本稿では、起業三原則について解説する。
「すべき」「できる」ではなく「夢中」「ワクワク」が大事
前回の記事では、起業三原則について触れた。起業三原則とは、「行動ありき」「失敗ありき」「人を巻き込む」からなる。起業のプロセスはこの三原則の繰り返し。今回は「行動ありき」について、掘り下げていきたい。
必要なものをリストアップする前に、今、現実にもっているもので始める。何事もやってみないとわからない。
起業という行動を起こす前にやるべきことは、「自分が何をするか」を明らかにすることだ。
ここで気をつけたいのは、「何をしなければならないのか」「何ならできるのか」は起業の起点にはならないこと。
「すべき」「できる」から始めると、「起業して稼げるような才能、専門的な知識、技術なんてない」というような考えに陥りがちだ。
起業すれば、24時間365日、事業のことを考えるようになる。自分が「夢中になれること」「ワクワクすること」でないと続かない。