ZOZO前澤、ホリエモンも落ちた「宇宙」の魔力 35兆円市場に経営者たちが吸い寄せられる
今、宇宙をめぐる動きが熱い。ZOZOの前澤友作社長が、イーロン・マスク氏率いるアメリカの宇宙ベンチャー・スペースXの開発したロケットで、民間人初となる月周辺への旅行を計画。かと思えば、ANAホールディングスは宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと連携し、遠隔操作ロボット「アバター」を活用した宇宙開発に乗り出すなど、話題に事欠かない。
そんな中、1月18日に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から、革新的衛星技術実証1号機となる、小型ロケット「イプシロン」4号機が打ち上げられた。この打ち上げによって、日本における宇宙ビジネスのステージも確実に一段上がった。
宇宙活動法の施行で進む民間の宇宙利用
『会社四季報 業界地図』(東洋経済新報社)では、シェアリング・エコノミーなどの最新業界から、鉄鋼やセメントなどのオールドエコノミーまでを網羅。主要な業界プレーヤーはもちろん、その関係性までを解説している。2019年版の中では、AI(人工知能)や自動運転業界などにも注目しているが、それらに負けず劣らず注目している業界が「宇宙開発」だ。
イプシロン4号機の打ち上げは、2018年11月に民間企業が宇宙利用への参入を促進する宇宙活動法(「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」)が施行されて、初の打ち上げとなる。短期間、低コストという開発要求に応えるため、使用実績のある民間企業を最大限活用するという、これまでのJAXA衛星とは異なる開発手法が導入されたことに特徴がある。
例えば、イプシロン4号機に搭載された小型実証衛星「RAPIS-1」。これは、東京大学からスピンアウトして生まれたスタートアップ企業である、アクセルスペースが開発したものだ。アクセルスペースは、高頻度、全球カバーを掲げ、民間主導で超小型衛星の設計から試験、製造、打ち上げ、運用まで展開することを志向する企業である。
そのほかにも民間企業や大学が開発した7機の小型衛星が搭載された。イプシロン4号機は打ち上げ費用の約55億円こそ国が全額負担しているが、小型衛星の製作費用や実験機器は民間企業や大学が負担している。
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