上司としては無能な「優秀な人」が多い理由 「仕事をこなす」と「人を育てる」は別の技術だ
おそらくあなたの会社でも、4月から数週間あるいは1~2カ月にわたって、人事部による新入社員研修が行われていることでしょう。ここで学ぶのは挨拶の仕方、名刺交換の手順、電話の受け答えなど社会人としての基本マナーや企業理念・主な事業内容といったその会社に関する基礎知識など、すべての社員が知っておくべきことです。
そして全体研修を終えた新入社員たちは、いよいよそれぞれの配属先へ。ここから先の“現場の仕事の内容を「どう教えるか?」”については、部下を受け持つ上司の手にすべて委ねられます。そのため、もしその上司が「教え方」を知らなければ、当然のことながら部下は望みどおり育ってはいきません。
「教える技術」を身に付けつければ育成が楽しくなる!
日本では「仕事は細かく教えてもらうものではなく、盗んで覚えるものだ」という考え方が相変わらず根強いのが現状。おそらくあなたの世代にも上司や先輩からそう言われながら育った人が少なくないはず。“上司や先輩から仕事の内容を細かく、適切に教えてもらう”という経験をしていなければ、自分の部下に対しても同じような指導しかできないのが当たり前です。
かく言う私も同じです。サラリーマン時代にはじめて部下を持ったとき、きちんと説明したのはコピー機の使い方、事務用品や資料の置き場所、交通費精算の方法といったごく基本的なことだけ。
あとは私がやっている業務を2~3日見学させて「よし、あとは自分でできるな? もしわからないことがあれば、何でも聞きなさい」と言って“新人教育”を終えたつもりになっていました。
起業してからは、社員たちに伝えていたのは数字目標だけ。仕事のやり方を具体的に教えることなどせず、「では、頑張ってください!」で終了です。誰からも「教え方」を習っていないとはいえ、われながらひどいリーダーでした。
しかし、本書で紹介する「教える技術」を習得してからは、どの部下も驚くほど早く確実に仕事をマスターし、自社の業績は飛躍的にアップ。そして、それまで知らなかった“人を育てること”の楽しさや充実感を味わうことができました。
ぜひあなたも、「教える技術」を身に付け、人を育てる喜びを実感してください。決して難しいものではありませんから、必ずマスターできます。
次回以降、その「教える技術」について解説していきます。
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