ネットで「話すのが上手い人」が実はしている事 話の内容がまとまっているだけでは意味がない

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聴き手に充分に伝わり、かつ満足してもらえるならどの手法でもかまいません。しかし何ら備えもなく話すというのは無茶なチャレンジですし聴き手に失礼です。やはりプレゼンやセミナーではきちんと台本を作って臨むのがよいのです。

台本があることで、
・話が飛びにくい(聞き手にストレスを与えない)
・漏れ落ちが防ぎやすい(本当に自分が言いたいことを落とさない)
・アガりにくい(必要以上の緊張を感じずのびのび話せる)
・復元性が高まる(再度別の場所でもムラなくできる)
・時間が読める(与えられた時間内にバランスよく話せる)
といった安心を得られます。

台本は
1. 話し言葉で作る――語尾を明確に揃えないと口調が安定しない。
2.「、」「。」を実際に読んで確認する――長過ぎると話しづらい。話しづらいということは聞いているほうも聞きづらい。
3. 時間を計る――字数を意識しても言い回しのスピードは実際に読まないとわからないということを意識して作りましょう。この3点ができていない台本は、無いよりはいいですがあまり役に立ちません。特に話し慣れていない人はかえって下手に感じられてしまいます。

シナリオに書いていある台詞を追うだけじゃダメ

いい構成をして、いい台本ができたとしても、その台本をただ棒読みにするだけではいいトークとは言えません。そもそも原稿を読んでいるだけのトークがササる訳がありません。単に言語情報を伝達するだけなら、体裁よくまとめたレポートを渡して相手に読んでもらったほうが余程伝わります。

『絶対失敗しない! ササるプレゼン ―成果を上げるプレゼンテーションのすべて― 【オンライン完全対応】Kindle版』(ごきげんビジネス出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

シナリオに書いてあるセリフを追っているだけの芝居をわざわざ観に行きますか? 練習が不充分なセミナーやプレゼンなど人前に出してはいけないのです。台本は作っても、台本が無いように話せるまで練習するのです。

練習は本番に限りなく近い状態で行います。練習用の聴衆をお願いするのは難しいでしょうが、たとえば立って話す時は立って、座って話す時は座ってというように本番と同じ状態でやらなければいけません。これはリアルでもオンラインでも同様で、ハンドマイクを使う時は棒状のものを持ち、スライドを使う時はマウスやクリッカーを操作しながら話します。想定時間で終わるようにストップウォッチもしくはタイマーを見ながら話します。

可能ならば録音・録画をし、自身のパフォーマンスを客観視します。同業の職業話者の人たちを見ていると、上手な人は必ず自分の録音や録画を確認し、自身に自分で的確なダメ出しをしてブラッシュアップしています。人前でのトークに慣れていない人は自分の音声を聞いたり、話す様子を見るのは嫌がりがちです。しかし自分を客観視して練習できないと上達は遅れてしまいます。

充分に練習したトークは、「生の人が生でしゃべっている」というライブ感を聴き手に印象づけ、聴き手にササりやすくなります。また本番で中身が飛んでしまったり想定外の質問や反応があった時でも、焦らずに対処することができるようになります。「アドリブが利く」という言い方がありますが、アドリブが利く人はノープランで適当に受け答えしているわけではありません。プランが緻密だからこそ、アドリブという応用ができるのです。

長谷川 孝幸 風土刷新コンサルタント、「ほめ達!」特別認定講師

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はせがわ たかゆき / Takayuki Hasegawa

1971年生まれ。学習院大学経済学部卒業。消費財メーカー勤務、市場調査機関勤務を経て1999年より社員研修・公務員研修講師として活動し、延べ5万名以上に「仕事の進め方」を直接指導。自身の成功体験や失敗の蓄積をベースにしたコンテンツは「よくわかる」「すぐできる」「必ず役に立つ」と高評価。年間登壇回数は200回以上。主な著書に、『絶対失敗しない! ササるプレゼン ― 成果を上げるプレゼンテーションのすべて― 【オンライン完全対応】』(ごきげんビジネス出版)『仕事で損をしない人になるための48の行動改善』(同文舘出版)、『ミスなく仕事が10倍速くなる 5分間逆算仕事術』(三笠書房)がある。

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