ボルボのようなロンドンタクシーは何が凄いか

LEVC製の「TX」をとことん乗って試してみた

働くクルマの代表格「ロンドンタクシーTX」、その凄さとは?(筆者撮影)

交通コメンテーターを名乗る筆者は大型二種免許やけん引免許を持ち、商用車の開発ドライバー職やバスドライバーの経験も積み、働くクルマを長く追いかけてきた。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

今回試乗した新型「ロンドンタクシーTX」(LEVC社製)は働くクルマの代表格。2017年に発表、2018年からは欧州で販売がスタートし、2020年10月末現在では北欧、中近東など13カ国で4500台以上が販売された。

TXは従来型の「FXシリーズ」から全面変更を受けた新型モデルで、イギリスのコベントリー郊外に新設された工場で製造されている。ボディサイズは従来型の最終型である「FX4」から、全長で290㎜、全幅で160㎜、全高で60㎜が大型化された(数値は概算値)。乗車定員は、ドライバー含めて7名が基本で、車いす移動車登録の場合は6名となる。

レンジ・エクステンダー方式の電気自動車

TXは内燃機関として直列3気筒1.5lガソリン直噴ターボエンジン(出力:約91馬力)を搭載しているが、駆動(タイヤを回すこと)は電動モーターが受け持つため、「レンジ・エクステンダー方式の電気自動車」に分類される。

ところで、日産自動車「セレナ」「ノート」「キックス」の「e-POWER」に代表される「シリーズハイブリッド方式のハイブリッドカー」も電動モーターによる駆動。両システムとも同じようだが決定的な違いが2点ある。

① レンジ方式はモーターへ電力を供給する2次電池の容量が大きい。先の日産e-POWER勢が約1.5~1.8kWhであるのに対して、TXは31kWh と約17~20倍も大容量(ともにリチウムイオンバッテリー)。

②シリーズ方式は発電機としてのエンジン出力にゆとりがある。新型ノートの直列3気筒1.2lガソリンエンジンの出力は82馬力。数値上はTXが9馬力上回るが、車両重量は新型ノートの1190kgに対してTXは2310kgとほぼ2倍近い。よって、このままTXをシリーズ方式として成り立たせる(=発電主体で走らせる)には力不足。

わかりやすく概要のみを言い換えれば、レンジ方式は大容量バッテリーで電動駆動を行い、走行距離を延長(エクステンド)するため内燃機関で補完的に発電。対して、シリーズ方式は小容量バッテリーで電動駆動を行うため積極的に内燃機関で発電する。

次ページ伝統ある外観、考えられた車内配置
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • インフレが日本を救う
  • 買わない生活
  • 御社のオタクを紹介してください
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT