それもそのはず、TXを製造するLEVCは中国の「ジーリー・ホールディンググループ」の傘下。同じく傘下のボルボ・カーズとの関係から、ボルボでの上質なクルマ作りの哲学がこのTXにも受け継がれた。
今度はドライバー役となってTXを体感する。真っ先にいいなと感じられたのは運転席の座り心地。シートバック/座面ともにしっかりとした厚みのあるクッションが用いられ、そして硬めだ。毎日、長時間座るシートなのでプロドライバーからはこうした芯がしっかりしたタイプが好まれる。さらに腰骨をしっかりサポートしてくれるから正しい運転姿勢がとりやすい。アクセル&ブレーキペダルとの関係も良好だ。
メーター回りや内装もボルボのよう
メーター回りはボルボで見慣れたTFT液晶画面が広がる。夜間でもギラつかないコントラストの演出はTXでも健在だ。表示内容はTX専用にアレンジされ、エネルギーマネージメント画面や、運転操作に対する出力/回生状況がアナログ針風に表示される。
センターコンソールからドライバー側にオフセットされた9インチの縦型センターディスプレイと、その下に並べられたスイッチ群は、これまたボルボ各モデルとの共通項。ただ、センターディスプレイにもTXならではの専用表示モードがあり、専用表示のメーターと合わせれば、気分は即席タクシードライバー。
発進時、意思表示のウインカー操作と自車周囲の目視による安全確認は欠かせない。ボディサイズは立派だが、運転席からの死角は思いのほか少なめ。乗車位置も高めで運転姿勢にも自由度があるから、上半身を大きく捻転させた目視もやりやすい。
バイワイヤー方式のシフトノブをDレンジに入れていざ発進。Dレンジの状態でシフトノブを左右に倒すと、回生ブレーキの強さが3段階から調整できる。さらに、センターディスプレイではドライブモードの変更ができる。通常走行用の「スマート」、バッテリー電力を温存する「セーブ」、文字どおり電気自動車に徹する「ピュアEVモード」の3種類が用意されるが、乗用車のように加速特性を積極的に変更してスポーツ走行を楽しむためではない。いずれのモードにもタクシーとしての運転スタイルに特化した、1㎞でも多く走るための専用エネルギーマネージメントが施されている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら