「六本木の高級ステーキ」運ぶタクシーの懐事情 収入減ったドライバーたちの救済策となれるか
宅配ならぬ「タク配」はどこまで利用を広げられるか。
国土交通省は、2020年4月にタクシー事業者の救済のために特例措置として設けたタクシーによる飲食物の配送、通称「タク配」を制度化し、10月以降も継続することにした。
配送する荷物はタクシー車両のトランクに入れるのが原則で、乗客との同時配送は認められていない。今回の制度化に伴い、タク配を恒常的な事業として確立することが可能となった。
運ぶ料理の平均単価はなんと3万円
すでにタク配に取り組んでいるタクシー事業者は一定の手応えを感じているようだ。タクシー最大手の日本交通は、都内で高級ステーキハウス「ウルフギャング・ステーキハウス by ウルフギャング・ズウィナー」などから配送を受託。4月25日から9月末までの約5カ月間で約60店舗と提携しており、約2000件の利用があった。
日本交通の木村寛之タクシー部課長補佐によると、タク配で運ぶ料理の平均注文単価は3万円前後と高価格帯で、その配送料として3000~4000円程度を得ている。配送を受け付けるのは店舗から片道約30分圏内の距離が目安だ。
タクシー配車アプリ「S.RIDE(エスライド)」を手がけるみんなのタクシー(東京都台東区)も先行導入組の1社だ。5月から大和自動車や国際自動車などと飲食店向けフードデリバリーサービスを提供している。レストラン予約システムの「TableCheck(テーブルチェック)」や「一休.comレストラン」と連携し、都内の高級料理店およそ10店舗の料理を一律3300円で配送する。
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