イギリス政府筋によると、すべての新車を2040年までに実質的にゼロエミッションにするという。先頃の声明である「2030年までにICE、いわゆる内燃機関だけで走る新車の販売を禁止」は、その一環だ。
また、2015年から2020年の間にULEV(超低排出ガス車)の普及に約15億ポンド(約2100億円)を投資。さらに、そこからULEVタクシー(TXも含まれる)の市場を強固にするため7000万ポンド(約97億円)が使われる。加えてイギリスでは、10の自治区においてタクシー専用に400カ所以上の充電ポイントが提供され、これにより約2万3000台のULEVタクシーの運用が見込めるという。
ジャパンタクシーとの違い
今回試乗したTXの日本における車両本体価格は1120万円。仮にTXを営業用の緑ナンバーとして東京都で登録した場合には、総額364万円の各種補助金が最大で受けられるので、実質756万円。一方、トヨタのジャパンタクシーは、上級グレードの「匠」の車両本体価格が356万4000円で、ここから条件によって変動する補助金が支給されるから、価格差はもっと開く。
このようにTXとジャパンタクシーは、同じタクシーカテゴリーながらボディサイズに始まり、クラスが違う乗り物であることがわかった。乗車定員にしても7名(車いす仕様6名)のTXに対して、ジャパンタクシーは5名(車いす仕様は3名)と少ない。
日本におけるタクシーは年間約17億人の輸送を担う重要な公共交通機関(国土交通省調べ)。永らく国の規制がたくさん設けられてきたが、2015年6月の道路運送車両法の改正では「タクシー車両の基準緩和」が織り込まれた。理論上は、必要な計器を取り付けるなど架装すればTXもタクシーとして運行可能になる。
ただ、日本の道路環境でTXをタクシーとして使う場合、大きくドアを開けて乗り込む観音式は路肩に寄せた際の運用が難しい。よって、ここは国産タクシー勢にはない広々とした車内空間とガラスルーフによる開放感を活かしたリムジンとして運用とするのが現実的か。いずれにしろ、働くクルマに仲間が増えることは個人的にも大いに歓迎したい。
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