量産型ハイブリッドカーであるトヨタ自動車「プリウス」が誕生したのが1997年。20年後の2017年にはトヨタにおけるハイブリッドカーの世界販売台数が1000万台を超えた。初代プリウスの開発責任者であった内山田竹志氏は「ハイブリッド車に乗っているひとは“おたく”だと言われました」と当時を振り返る。
今やハイブリッドカーは当たり前の技術となり、乗用車だけでなくトラックやバスなどの商用車、2輪車(モーターサイクル)にまで普及。車両価格にしても、ベースモデルでありハイブリッドシステムを持たない純粋な内燃機関車と比較した場合で15~20%程度の上昇にとどまる。また、システムこそ限定されるが電車や船舶では乗用車の普及前から実用化が進んでいた。
ところで、改めてクルマにおけるハイブリッドシステムとは何か? ハイブリッドカーは内燃機関のみのベースモデルから燃費数値を1.5~2倍程度に向上(≒その分、CO2を削減)させ、これまで温暖化防止策として効果を発揮してきた。
内燃機関(ICE)に電動モーターを組み合わせることからハイブリッドシステムを名乗るわけだが、細かくはシリーズ、パラレルなど各方式があり、それらを融合させたもの(例/トヨタ「THS-Ⅱ」)まで存在する。いずれにしてもわれわれは、内燃機関をアシストしたり、ときに電動モーターのみで走行したりして燃費性能や走行性能を高めるクルマをハイブリッドカーと呼んでいる。
マイルドハイブリッドが輸入車から続々登場
昨今、「マイルドハイブリッドシステム」なるものを備えたモデルが輸入車メーカーから続々と登場、国産車メーカーでも搭載車が増えてきた。マイルドハイブリッドシステムの考え方は以前から存在し、プリウスに続いて2001年にはトヨタ「クラウン」にマイルドハイブリッドシステムが実装された。
「THS-M/トヨタマイルドハイブリッドシステム」と命名されたクラウンのマイルドハイブリッドシステムは市販量産車として世界初の技術。直列6気筒3.0Lエンジンのクランク軸に直結させた発電機兼小型モーター(3kW/56N・m)と、36Vの2次バッテリー(シール型鉛電池)でシステムを構成する。
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