筆者はこれまで、ボルボの電動化モデルとしてマイルドハイブリッドシステムを搭載した各モデルに試乗してきたが、電動化というイメージからくる力強さは今回のRecharge Plug-in hybrid T5に遠く及ばない。
マイルドハイブリッドシステムは確かに電動化されたパワートレーンだが、48V系電源システムにエンジンのクランク軸に連結させた小型電動モーター(10kW/40N・m)の組み合わせなので、エンジンを停止させた状態での電動モーター走行はできない。乗り味にしても、プラグインハイブリッドシステムとは同じ電動化に分類されるがまるで違う。
ただし、マイルドハイブリッドシステムの利点もある。エンジン出力の不足しがちな低回転域、具体的にはスタート直後のアイドリング回転数から直上の回転域では、小型とはいえ電動モーターのアシストが効果的に働く。よって低速域では運転操作に対する遅れが減少し上質な走りが楽しめる。
ボルボは毎年新しい電気自動車を導入へ
さらにボルボの場合、マイルドハイブリッドシステムと同時に組み込まれた気筒休止機構(低負荷時に4気筒のうち2気筒を休止する)や、構成部品の約90%を新規開発したエンジンとの相乗効果で燃費数値も改善。筆者による試乗時の実測値では、マイルドハイブリッドシステム化される前のモデルとの比較で10~15%程度向上していることが確認できた。
ボルボ・カー・ジャパンでは、2021年中に導入予定のBEV(電気自動車)「XC40 Recharge pure electric」を皮切りに、2025年に向けて毎年新しいBEVを導入すると発表。これにより2025年には、全世界で販売するボルボ車のうち50%の新車が、BEVとして提供される予定だという。
各国の政府筋によると2030~2040年に向け、欧州や北欧、北米、中国市場において内燃機関のみの新車販売を禁止する、もしくは規制するという動きがあるようだ。見直しや修正は考えられるが、根本から改められることはないだろう。
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