通学できず心が限界、深刻化する大学生の孤立

今年に入って休学や退学を考えた人が3割

コロナ禍で大学に通学できず、不安を感じる大学生が多くいる(写真:Tikipon/PIXTA)
新型コロナウイルスの第3波が勢力を増すにつれ、いったんは通常の対面授業を再開する動きのあった各大学で、再び「オンライン授業のみ」への方針転換が出始めている。混乱の続く中、当の大学生たちは何を思っているのか。この8月に発足した「大学生対面授業再開プロジェクト」という名の集まりで話を聞くと、「自分が何者か、それがわからないんです」といった不安があふれ出た。SNS では「#大学生の日常も大事だ」というハッシュタグも話題を呼んだ。学生たちはどんな状況にあるのか。このまま、大学生活がオンライン中心となった場合、何が起きるのか。

帰属意識がなく不安定な状態

「自分の居場所わからない…… 私は本当に大学生?」

東京都内の私大に入った1年生の山本光さん(20歳、仮名)は今、不安でたまらないという。語学系の学部に、“所属”はしているが……。

山本光さん(仮名)は「自分は本当に大学生なのか」と不安を感じている(写真:板垣聡旨)

「自分の居場所がわかんないです。入学式は中止でした。新入生オリエンテーションと健康診断のときに学校へ行っただけです。授業は全部オンラインですし、後期の今もオンライン。授業を受けても、ただ動画を見るだけですね。

本当に自分は大学生なのか、と。何者なのでしょうか? 帰属意識がないと言えばいいのでしょうか? せっかく上京してきたのに、不安定な状態です」

この春、山本さんは北陸地方から上京してきた。今は、都内にある父親の会社の社宅で生活をしている。山本さんは、部活やサークルにも入っていない。オンラインでの新入生歓迎会はあったが、「これで本当に団体の雰囲気がわかるのか」と懐疑的に思ったからだという。

そんな山本さんが唯一、所属している“団体”が「大学生対面授業再開プロジェクト」という名の集まりだ。この8月の発足で、メンバーは4人。都内の私立大学に通う1年生1人と2年生2人、関西の私立大学に通う1年生が1人という顔ぶれだ。

大学の入構制限でキャンパスに入れず、新しい友人もできない。感染予防のため、外にも自由に出られない。そうした中、オンライン授業では、大量の課題をこなす必要がある。

そんな閉塞感をどうしたらいいのか。

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