通学できず心が限界、深刻化する大学生の孤立 今年に入って休学や退学を考えた人が3割
大学生対面授業再開プロジェクトのアンケートには、ほかにも注目すべき結果がある。
「今年度に入ってから休学すること、または大学をやめる(退学)を少しでも考えたことはありましたか」という質問に対し、485人(31.9%)の大学生が「ある」と回答したのだ。どんな理由なのか。自由記述欄には、それこそ、悲痛とも思える回答が山積みだ。
「ずっと学校に行けないのはひどいし、耐えられないと思ったから」
「サークル活動などの他者交流の機会が一切ないから。これでは宅浪と状況が変わらない」
「こんなの大学じゃない。こんな生活で4年のうちの1年を無駄に終わらせたくない」
「このままの大学生活でいることが本当に正しいのか」
「後期になってもキャンパスライフがゼロに失望した」
「まともな授業を受けれず、思い描いていた大学生活を送れないから」
「オンラインならこの大学を選んだ意味がない」
「まともな授業を一度も受けることができなかった。やり直したい」
「対面授業では教授と相性が良かったが、オンラインは真逆。すべて怒られているように感じて怖くて仕方なかった。その先生から逃げたかった。うつ病になり資格とることも無理だと思った」
「思い描いていた学生生活とあまりにもかけ離れていて、大学生でいる意味がわからなくなった」
「頼れる学校の人がいないなか、これ以上孤独を味わいたくなかったから」
「なんとなく学生生活に疲れてしまった」
この自由記述欄には、362人が切々とした思いを書き込んでいる。「授業の質が下がった」「こんな状態で学費を払う意味がわからない」「負担をかけている両親に申し訳ない」という回答も多い。
さらに、実験ができない、大学図書館にも行けないのに課題が多すぎなどの学業に関する書き込みも目立つ。退学して別の大学で1年生をやり直したいという声も数十件あった。
大学を休んで資格を取ることも考えた
こうした結果をプロジェクト参加メンバーの中村さきさん(19歳、仮名)は以下のように語った。都内の私大で文系学部に通う2年生だ。
「私も休学を考えました。飛行機の客室乗務員になることが夢でしたが、航空業界の大幅な人員削減を目の当たりにして、就活が怖くて……。このまま来年度もオンライン授業が続くのであれば、大学を休み専門学校へ行って、何かの資格を取ったほうがいいのかな、と」
SNS上ではこの間、「#大学生の日常も大事だ」とハッシュタグも話題を呼んだ。
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