数学を「エンタメ」として楽しむ人の驚きの視点 大人でも数学が必要な"3つの理由"

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「勉強としての数学は得意」なのにネガティブなイメージを持ってしまうのはなぜか、また、数学を楽しみ、数学によって人生を豊かにするにはどうすればいいのでしょうか(写真:dragonstock/PIXTA)
学力テストのPISAでは、日本は数学や科学において、他国に比べて比較的いい成績を維持してきました。しかし、他国と比較すると「数学が苦手」「数学が嫌い」など数学へのネガティブな意識は強いと言われます。
「勉強としての数学は得意」なのにネガティブなイメージを持ってしまうのはなぜか、また、数学を楽しみ、数学によって人生を豊かにするにはどうすればいいか。
人気の数学イベント「ロマンティック数学ナイト」を運営し、『数学のロマンが詰まった 夜も眠れないほど面白い18の数学エピソード ロマンティック数学ナイト』の著書のある堀口智之氏に、大人が楽しく数学を学ぶ方法や理由について語ってもらいました。

数学は試験のためにあるのではない

「数学といえば、苦手だったなぁ。子どものときに苦労したね」

なんていう方がいたら、「ちょっと待って」と、一言言いたく。なぜなら、子どものときに数学を学んだのは、「大人になってから必要だから」というのがその理由です。われわれは、試験のために数学を学んだわけではありません。

とくに「大人でも数学が必要なのでは?」と世間に知らしめたのは、2013年『統計学が最強の学問である』という書籍が大ベストセラーとなり、ビッグデータをよりよく処理する学問として、統計学が注目されるようになってからです。「データサイエンティストが最もセクシーな職業だ」なんてセリフをどこかで聞いたことがある方もいるかもしれません。

しかし、どうでしょう。ちまたにある統計学の書籍を読んでみてください。ほとんどの本が二分されます。数学が苦手な人、超初心者向けの書籍で、わかるにはわかるけど、なぜそうなるのかという理由がわからない。表面的な使い方だけはわかる書籍で何が本質なのかがさっぱりわかりません。

とはいえ、もう1種類の書籍を手に取ってみると、絶望します。なぜなら、統計学は数学によって体系的に書かれており、数式のオンパレードだからです。とにかく数学がたくさん出てきて、高校のときに難しいと感じた「微分・積分」の嵐。とてもじゃないですが、ちょっと読めない。そんなふうに感じる方が増え、「大人になってから数学を学び始めなきゃ」と、大人の数学学び直しへ世の中の雰囲気が一気に変わった印象です。

ここ10年で大人向けの数学の書籍も増え、書店でもより目につくようになりました。さらに、ここ最近、「人工知能」「AI」がブームとなれば、機械学習とかディープラーニングとかが注目されているので手をつけようと思ったら「また数学!」となってしまったケースもあります。

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