数学を「エンタメ」として楽しむ人の驚きの視点 大人でも数学が必要な"3つの理由"

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数学の勉強は、たった1人で行うと時間がかかります。当然と言えば当然。でも、もっとすぐに答えが欲しい。忙しい現代人には、数学を学び続けるにはあまりに時間がなさすぎるようにも感じました。だから、数学の超面白い世界を横に積み上げていくのではなく、縦につなげる形で、超短時間で伝える機会があれば、もっと面白く伝わるのではないか。私はそう考えています。

数学に苦手意識を持つ理由、それは、「数学を学ぶのに時間がかかりすぎる」ということです。既存の数学カリキュラムでは、長いのです。必要なのは、数学を超最短で学ぶ機会です。

数学を「縦に学ぶ」発想

例えば、山を登るのはつらいですが、登り切ったあとの頂上から見える景色は最高です。1カ月もかかる山登りなら、途中で諦める人が多くなってしまうのは必然です。だから、すぐに頂上にたどり着く。そんな発想で数学を学ぶ機会があることがまず必要です。

つまり、既存のカリキュラムが「横に学ぶ」発想なら、提案したいのは「縦に数学を学ぶ」発想です。

横に学ぶとは、下から順にレンガを敷き詰めていくように、積み上げながら学ぶことです。より高くレンガを積み上げるなら、基礎がしっかりしていることが必要であるため、まずは1段目のレンガ、2段目のレンガと確実に積み上げていきます。しっかりとした地盤とはなることは間違いなさそうですが、何より時間がかかりすぎます。

対して「縦に学ぶ」とは、頂上に早く着くことだけを考えるのです。つまり、一段一段レンガを積み上げるのではなく、一旦は「はしご」を使って高く登ります。これならレンガを積み上げる必要はありません。一気に頂上に向かうことができます。頂上に到着することで、一旦は景色を眺めることができるでしょう。あとは地固めするだけ。この学びのメリットは何より、その目的がわかること。その意味がわかること。何のための学びになっているかがわかること。それが数学へのモチベーションを一気に高めるのです。

実は、この「縦に数学を学ぶ」発想として、私が実施しているのがイベント「ロマンティック数学ナイト」です。これは、数学の1テーマを8分間のプレゼンで楽しめるイベントです。プレゼンするのは、「ロマンチスト」と言われるプレゼンターです。

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