数学を「エンタメ」として楽しむ人の驚きの視点 大人でも数学が必要な"3つの理由"

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ただ1点、ちゃんと伝えたいのは、数学はあくまで原理原則で、仕組みそのもの。だから、数学自体は理解できなかったとしても、データ分析や機械学習などを活用することはきっとできます。パソコンの中身がわかっていなくても、パソコンは表面的には動かせます。WindowsなどのOSがわかっているかどうかだけです。

しかし、それでも数学が必要だと思うのです。なぜか。

ブラックボックスの中身をどこまで信用できますか?

例えば、前任者が使っていたExcel。数式が入っているらしいけど、これを信用して使えますか? もちろん、信用できるという方はいるかもしれませんが、その決断が、自分の大切な人の命に関わるといったらどうでしょう? すぐに捨ててしまうのではないでしょうか。

最近では、グラフの誤った使い方が当たり前にメディアで使われ、デタラメなアンケート結果が「信頼できるデータ」として広まってしまうこともあります。本当に正しいデータは何なのか。表面的な数字だけが転がって、一種のイデオロギーと共に、いいように使われてしまうことも少なくありません。

私は思うのです。今、現代人の「数的リテラシー」が問われているのです。直訳するなら、数的な読解力です。つまり、表面的に見えるものではない世界です。

「平均は、○○円です」とあったとき、それはどういう意味なのか。中央値はどのくらいなのか。最頻値は。どんな分布なのか。そもそも”平均”とはどんな数学が用いられているのか。この結果は信用できるのか。数学をわかることは仕組みがわかることにつながります。

当然、数学だけがわかればすべてがわかるなんて大げさなことは言えません。数学だけで動くような世の中ではないこともわかっています。しかし、今、さまざまな意見がSNSで飛び交い、あらゆる正しさが根っこにある中で、根拠が求められる時代であると思うのです。

さて、そんな数学、苦手意識もある人も多いと思いますが、どんなふうに学ぶべきなのでしょうか。

次ページ想定よりも数学ニーズは多様だった
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