数学を「エンタメ」として楽しむ人の驚きの視点 大人でも数学が必要な"3つの理由"

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私が大人のための数学教室、和(なごみ)を起業、運営して10年になるのですが、当初想定していたものよりずっと数学ニーズは多様でした。受験や試験対策以外にも、

1.現代社会の基盤としての役立つ数学
2.コミュニケーションや常識としての数学
3.数学的世界を堪能するための数学

この3つのニーズがあるということを起業してから知りました。

大人のための数学教室から見えてきた数学ニーズ

1.現代社会の基盤としての役立つ数学

例えば、今年2020年、コロナウイルスが日本を、世界を襲いました。実は、この感染の広がりは数学として記述することができます。「1人が何人に感染していくのか」。このシンプルな疑問といくつかの変数を持ち込んで、感染症拡大の数理モデルである微分方程式に値を代入していけば近い未来の予測はおおよそできます。逆に、そういった数学的な信頼があったからこそ、4、5月緊急事態宣言下における自粛生活の根拠となったわけです。われわれの身近で、しかし知らないところで、数学が社会を支えています。

2.コミュニケーションや常識としての数学

もっと身近なところで、算数や数学的な思考が用いられています。人との接触を8割削減しなければいけないを合言葉に頑張ってきた経緯があります。微分方程式はわからなかったとしても、ようは、80%削減する。つまり、今まで5人会っていたところを1人に変える。表面的にはこういった算数とか、数的な思考というのがわれわれの身近に存在しています。

3.数学的世界を堪能するための数学

そもそも微分方程式とは何か。微分とは何か。微分するための条件とは何か。方程式とは何か。そもそも解はあるのか。解けるのか。そういった、より深い数学的世界を探求する数学もあります。

われわれの数学の印象は、「公式を覚えて問題を解く」、そんなイメージを持つ方も少なくありません。「いやいや」という方もいるかもしれませんが、理系の方の一部でも、文系の方ならなおさら99%数学にそのように関わってきただけの方が多いのです。

数式をいじくりまわすだけ、公式を覚えて問題を解くのが数学の楽しみだけではないのです。もっとほかの数学の世界だってあります。つまり、われわれが知らない数学があるのかもしれない。「数学」と聞いただけで諦めないでほしいのです。

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