好調ワークマン「アマゾンをやり過ごす」3秘策 オイシックス執行役員と語る今後の戦略
角井:普通に考えたらリアルが来るからそれにどう対抗しようか」という話になるはずですが、逆にやって来る者の力を使って、どう自分たちが市場をリードしながら生存するかという視点で考えていらっしゃる。
土屋さんは、リアル店舗でチェーン展開している立場として、いま、どのようにデジタル活用を考えていらっしゃいますか。言葉は乱暴ですが、どうやってネットでシェアを奪っていくか、というような。
土屋:そうですね。デジタルの活用で言いますと「クリック&コレクト」が本音です。店舗数が500以上あると、お客さんは便利な店舗に商品を受け取りに来ます。だから店舗在庫を使ってネット販売をする。
でも、中途半端に弱いものを、いまさら足そうなんてできないわけで、「店舗在庫による店舗受け取りだけ」というくらいに徹底しないとダメだと考えています。
だから、889店舗(2020年10月20日時点)あるところを2000店舗にします。2000店舗の規模があれば、コンビニがネットを怖がらないのと同じように、ネットで攻めるところが増えれば増えるほど店舗数で勝負する。
家賃は売り上げの3%に抑える
角井:今年、楽天市場から退店されました。そのあたりの経緯お話しいただけますか。
土屋:端的に言うと、楽天からの集客はまったく期待しなくていい。独自集客が100%できると判断したからです。
ショッピングモールへの出店もちょっと半身に構えています。ショッピングモールに出店した店舗では、ショッピングモールのカードを持っていない人ばかり来るんです。つまり、ショッピングモールに集客を依存していないということです。逆に、彼らにショッピングモールのポイントカードを勧めてばかりなんです。
そういう現実を見ていると、われわれは家賃を払う側じゃなくて、家賃をもらわなきゃいけないという発想になっていきますね。
家賃は必ず売り上げの3%以内に抑える。今はまだ8~10%払っているところもありますが、3%のメドがたっている。究極的にはアマゾンとの価格競争ですよ。さすがに銀座は無理ですが、山手線内でも「3%」という意気込みでやっています。
角井:土屋さんの話を聞いていて発見したのですが、お客さん自身に対する2人の感覚が違いますね。
奥谷さんはお客さんをIDで紐づけて、できたら24時間、その行動を赤裸々に見たい。一方、土屋さんはどちらかというと、商品力でお客さんを引っ張っていくというイメージが強い。お互いを見てどうですか。道が違うように思うのですが。
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