指導死?部活顧問に居場所奪われた高1の絶望

適切な指導だったのか、11月13日控訴審判決

札幌高等裁判所で11月13日に判決が言い渡される(筆者撮影)

2013年3月3日、北海道立高校1年生の、悠太(享年16)が自殺した。所属していた吹奏楽部の顧問が、他の部員たちに「関わるな」と言うなど、悠太を孤立化させたうえ、前日に不適切な指導をしたことが自殺の原因だとして、母親が北海道を相手に約8400万円の賠償を求めていた控訴審の判決が11月13日、札幌高等裁判所(長谷川恭弘裁判長)で言い渡される。

教師の不適切な指導により、児童生徒が自殺することは「指導死」と呼ばれる。一審は悠太の自殺後、学校側が生徒を対象に実施したアンケート原本を破棄したことが原告に精神的苦痛を与えたとして、110万円の賠償を命じたが、顧問の指導について違法性を認めず、自殺との相当因果関係を否定している。

きっかけは吹奏楽部内のメールトラブル

この裁判の争点の一つは、顧問の「事実に基づかない思い込み」による叱責が違法と判断されるかどうかだ。

控訴理由書や遺族によると、悠太は中学時代から始めた吹奏楽に魅了され、2012年4月、吹奏楽部の実績がある北海道立高校に入学した。悠太の人間関係の多くが吹奏楽のつながりだった。

しかし秋頃から吹奏楽部内の人間関係に悩み、12月には退学を考えるほどになり、担任に相談した。翌2013年1月には自殺を話題にすることもあり、顧問にさえ深刻な表情に映った。

そんな中、部内で悠太と生徒Bとのメールをめぐるトラブルが発生した。背景には生徒Bが悠太からのメールをグループLINEに無断で貼り付け、ほかの部員たちもそれを面白がったり、はやし立てたりしたことにある。

だが学校はそれを知りながら、悠太のみを指導対象にした。指導対象となった悠太と生徒Bとのメールのやりとりについて、学校側の資料には「売り言葉に買い言葉」と記されている。どっちもどっちというなら、指導は両者になされるべきだったのではないか。

トラブルを受けて、顧問は悠太に対して連絡網のメール以外は禁止し、部員に「悠太と関わるな」と指示。電話や外での交流を禁止するなど人間関係を切り離した。

「(部員に対して悠太と)『もう関わるな』って言いました…(中略)…とにかくそれが彼に対して孤立を深めることになったのかもしれない」(2013年3月4日の部員にアンケートを取る前に顧問が話した内容・録音反訳)と顧問は認めている。

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