自分は不幸だと思う人は脳の使い方を知らない 従来の脳科学では引き出せなかった脳の鍛え方
「まずは自分」と考えるのではなく、まずは他者のことを考える。これが「利他の心を持つこと」です。
スイス・チューリッヒ大学のハイン博士らの研究では、利他行動をした人は、脳内で島皮質と前帯状回、線条体という3つの部位がうまく繫がって活動したことが確認されています。
ビジネス界でも注目を集めるマインドフルネスも、脳にいい効果をもたらします。マインドフルネスが脳の老化の防止に繫がるのです。アメリカ・ハーバード大学のガード博士の研究では、普段から、マインドフルネスを実践している人たちは、70歳になっても45歳のときの脳機能のままでストップしていたことがわかりました。
大草原や大海原、あるいは星空など、自然を前にして圧倒される経験を、Awe体験といいます。カナダ・トロント大学のステラー博士らの研究では、Awe体験をすると自分の自我(エゴ)を少なくし、謙虚な気持ちを起こすことがわかりました。
脳の使い方を変えない限り、脳は成長しない
6つのポイントは、考え方や行動そのものはオーソドックスなものが多いと感じたかもしれません。
そして、「もっと豊かに幸せに生きたい」「脳の機能を強化したい」と思うときの考え方や行動としては、意外なものが多いと感じたかもしれません。
「もっと収入を増やしたい」と思うとき、「だったら感謝しなさい、前向きになりなさい」と言われてもピンと来ない人は多いでしょう。私もそうでした。
でも、なぜピンと来ないかといえば、それは従来の脳の使い方にとらわれているためです。
たとえば「もっと収入が増えさえすれば、幸せになれるはず」「もっと良い学校に入れていたら、違う人生を歩めたはず」などと、私たちが「幸せになりたい」と願うときの脳の使い方には、いくつかのパターンがあります。
そして、私たちは普段そのような一定のパターンの脳の使い方を無意識にしてしまっています。ですが、豊かで幸せに生きるには、まずこの従来の脳の使い方を変えていく必要があるのです。
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