JINS社長の「先行して勝ち抜く」ための考え方

ジェイアイエヌ社長 田中仁(下)

海外展開の勝算

三宅:眼鏡以外の展開の可能性もありますか。

田中:いいえ、雑貨事業もやっていますが、当社は眼鏡で世界一になろうと公言していますから、眼鏡で勝負します。

三宅:JINSは何だか発想がアップルに近いと思います。アップルストアのようなスタイリッシュなお店を作って、従来の商品イメージをプラスのものに変えた。アップルはちょっと高く売っていますけど、JINSは安価でしかもちゃんとした機能にこだわって、品質をよくすることで、お客をつかもうとされています。そしてグローバルに打って出ようとしている。最近、世界で負け続けている企業が多いのに、攻めに行けるというのが楽しみです。

田中:グローバルに関しては、中国で勝ち始め、黒字化が見えていますので見通しは明るいと見ています。今、北京、上海を中心に23店舗あり、この春で35店舗になります。再来年ごろには100店舗展開を目指しています。

三宅:中国の展開と日本の展開とでは、何か発想に違いがありますか。

田中:ほぼ同じです。国ごとに切り分けて展開するのではなく、JINSを世界で戦えるブランドにするために、リブランディングと日本本社のグローバル化を進めています。

三宅:じゃあ、この調子で世界中が狙えそうですね。

田中:まず中国では勝てそうです。次はアメリカです。年内をメドにサンフランシスコに100坪以上の旗艦店を作って出店する予定です。日本のプレゼンス(存在感)をわれわれが頑張って高めてこようかなと。

また、実は今、イノベーションを起こす商品の発表も予定しています。

スティーブ・ジョブズでなくても大丈夫

三宅:弊社はこれまでに、経産省などと連携して革新的な省エネ機器の市場創造のための制度設計を行ったり、日本の強みを海外に展開する取り組みの支援を行ったりしてきました。御社の取り組みもとても楽しみです。応援したいですね。

さて、この連載では、新しい事業を作って、世界に勝てるような取り組みをしていく人たちをもっともっと増やしたい、そして日本を元気にしたいと思っているのですが、最後にそういう人たちに対するメッセージをいただけますか。

田中:私は起業家を表彰する「Ernst&Youngアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」の世界大会に出席するため、2011年にモナコに行きました。そこには世界50カ国から、約50人の起業家が一堂に会していました。ちなみに、かつての受賞企業はグーグル、デル、スターバックス コーヒー、アマゾンドットコムなど、数千億円規模の企業も選出されています。

そこではいろいろな方とお会いしたのですが、その方々が「特別に」「ずば抜けて」いるかというとそうではなく、私と同じように普通の人だったのです。それで、「あっ、日本人は英語ができないだけなんだ」と気づいたのです。島国だから、外に向かわないだけだなと。もちろんすごい人もいるのですが、相対的に見て、私は「日本人はレベルが高い」と確信しました。私自身も大したことはありませんが、この方たちと伍して行けるな、と思ったのです。だから皆さん、もっと海外に出て行くべきだと思います。このことはきっと外に出れば出るほど、感じると思いますよ。

三宅:全員がスティーブ・ジョブズなわけじゃない。それは元気が出ますね。

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