「JINSは踊り場にさしかかっている」 眼鏡大手ジェイアイエヌの田中仁社長に聞く
敵に塩を送ってしまった
――PC用眼鏡ブームが一巡し、販売が落ち込んでいる。
アーリーアダプター(流行に敏感な消費者)と呼ばれる方々にはかなり買っていただき、ある程度行き渡ったと思う。
販売が落ちているのは、度付きではなく、度が入っていないレンズとフレームをパッケージにした商品だ。今や100円ショップでも売っているぐらい、類似品が増えた。パッケージ版を買うのは、視力がよくて、眼鏡のブランドを基本的に知らない方が多い。そうした方々はJINSブランドに対するロイヤルティ(忠誠心)があまりなく、近くで安く買えればいいと思っている。PC用眼鏡を宣伝しているのはJINSだけ。われわれが大規模な宣伝をすることで、結果的に、敵に塩を送ることになった。
「PC用眼鏡は効果がない」という風評の影響も多少あったのではないかと思う。調査によれば、昨年はPC用眼鏡を買って効果がなかったという人はあまりいなかった。当時、PC用眼鏡を販売していたのが、ほぼJINSだけだったからだ。ところが、今年は効果がなかったという人が買った人の2割を超えている。JINS PCは効果についてエビデンス(証拠)をとっているが、効果が見込めない粗悪品が多く出回っている。
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