「JINSは踊り場にさしかかっている」

眼鏡大手ジェイアイエヌの田中仁社長に聞く

大手眼鏡チェーン「JINS(ジンズ)」を展開するジェイアイエヌ。パソコンの画面が発するブルーライトをカットし、目の疲れを軽減するパソコン(PC)用眼鏡で一大ブームを巻き起こした。レンズとフレーム込みで4990円からという低価格とデザイン性の高さを武器に、2013年8月期は売上高365億円(前期比61.6%増)、営業利益62億円(同2.3倍)と拡大。営業利益ベースで業界2位に浮上した。
ところが、今年7月の既存店売上高が前年同月比で3.5%減と、4年3カ月ぶりのマイナスを記録。今期に入っても、9月18.6%減、10月8.1%減、11月24.5%減と大幅なマイナスが続いている。原因は、PC用眼鏡「JINS PC」のブーム一巡による落ち込みだ。
急成長に陰りが見える中、次にどんな手を打つのか。田中仁社長に聞いた。

敵に塩を送ってしまった

――PC用眼鏡ブームが一巡し、販売が落ち込んでいる。

アーリーアダプター(流行に敏感な消費者)と呼ばれる方々にはかなり買っていただき、ある程度行き渡ったと思う。

販売が落ちているのは、度付きではなく、度が入っていないレンズとフレームをパッケージにした商品だ。今や100円ショップでも売っているぐらい、類似品が増えた。パッケージ版を買うのは、視力がよくて、眼鏡のブランドを基本的に知らない方が多い。そうした方々はJINSブランドに対するロイヤルティ(忠誠心)があまりなく、近くで安く買えればいいと思っている。PC用眼鏡を宣伝しているのはJINSだけ。われわれが大規模な宣伝をすることで、結果的に、敵に塩を送ることになった。

「PC用眼鏡は効果がない」という風評の影響も多少あったのではないかと思う。調査によれば、昨年はPC用眼鏡を買って効果がなかったという人はあまりいなかった。当時、PC用眼鏡を販売していたのが、ほぼJINSだけだったからだ。ところが、今年は効果がなかったという人が買った人の2割を超えている。JINS PCは効果についてエビデンス(証拠)をとっているが、効果が見込めない粗悪品が多く出回っている。

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