なぜ永谷園はビアードパパを買うのか 「味ひとすじ」の永谷園が100億円の買収に打って出た
甘い香りに誘われて思わず足を止め、「ビアードパパ」のシュークリームを買った人は少なくないだろう。ところが、その運営会社を永谷園が買収するというのだから意外や意外だ。
お茶漬けのりとシュークリーム――。いったい、どんな狙いがあるのか。
永谷園は10月22日、シュークリーム専門店「ビアードパパの作りたて工房」を擁する麦の穂ホールディングス(以下、麦の穂HD)の子会社化を発表した。アント・キャピタル・パートナーズが運営するファンドなどから全株式を取得し、グループの傘下に取り込む。
買収金額は約94億円。麦の穂HDの連結純資産は約37億円であり、永谷園はこの2.5倍の金額を投じる。同社は08年に北海道の製麺会社を10億円弱で買収しているが、100億円に迫る買収はこれが初めてだ。
新カテゴリーのチャレンジを具体化
今回の買収は、永谷園創業者の次男である永谷泰次郎氏が12年の社長就任以来掲げている「新規カテゴリーへのチャレンジ」を具体化した格好だ。経営企画部の掛谷浩志副部長は、「加工食品事業だけでは市場が伸びない。成長のためには新たなフィールドへの挑戦が必要」と話す。そして、「(今回の買収で)海外拠点が多く取れる」とも言う。
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