「JINSは踊り場にさしかかっている」 眼鏡大手ジェイアイエヌの田中仁社長に聞く
――既存店売上高の前年同月比プラスも4年2カ月続いた後、止まった。
右肩上がりの成長が続いて、踊り場にさしかかった。誤解を招く言い方かもしれないが、これはJINSにとってよかったのではないかと思う。企業がずっと伸び続けることはなく、踊り場になったところで、体質を強くしてまた成長するのが常だ。われわれも、さまざまな課題をしっかり認識して、次の成長につなげていきたい。
中国に続き米国へも進出
――2008年8月期から2期連続で赤字を計上した苦い経験がある。その後、急成長してきた中で、危機感が薄れ、経営判断が遅くなっている部分があるのでは?
逆風から順風になり、その環境に甘んじていたのは否めない。手堅く経営してきたともいえるのだが、製品開発のスピードが遅くなっている。JINS PCの後も、もっといろいろなイノベーションを世の中に提供していかなければいけなかった。
成長の勢いが若干弱まってきた時に、すぐに次の手を打ち出すことが経営では重要だ。それを絶えず続けるのは非常に難しいことだが、うまくいかない理由を外部環境のせいにしてはいけない。
われわれはベンチャー魂を忘れずに、今後も果敢にチャレンジする。
米国への進出がその象徴だ。2014年秋にサンフランシスコに1号店を出す。西海岸を選んだのは、われわれの社風に合うし、シリコンバレーが近く、日系人などのアジア系も多い。そういう意味で、われわれのビジネスモデルへの理解が早いと思っている。高品質と安さを売りにして十分勝負できる。
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