大学はどう変わっていくのか――。
いま、世界の教育界で急速に存在感を増している大学がある。それが物理的なキャンパスを持たない「ミネルバ大学(Minerva Schools at KGI)」だ。学生たちは世界7都市を回って生活をしながらオンラインで授業を受けるという特殊な形態で運営されている。そして設立8年にしてすでに世界最難関大学の仲間入りをしているのだ。
通信制の大学なら日本はもちろん、世界中に存在する。しかし、ミネルバ大学のオンライン講義は、インターネット(Web)の「効果と強みをフル活用すること」を主眼に置いている。大学の制度やシステム、カリキュラム、各学生の学び方は、インターネットで行う前提でデザインされており、既存大学のオンラインコースとは根本的に思想が異なる点が特徴だ。
「親が学生だった頃の常識」は通じない
では、オンラインで講義はどこまでできるのか。ここでは、「大学の未来予想図」をテーマに掲げ、日本の大学関係者のみならず、これから我が子の進路や志望先に頭を悩ませる保護者の方々へ向けて、今後大学で進んでいくと思われる「教育改革」や「入試改革」について紹介していきたい。筆者を含む「親の世代」の“常識”は、これから大学進学を控えている「子供たちの世代」の“現実”と、まったく相容れないものとなる。
日本の大学では、今まさに地殻変動が起こりつつある。「大学のあり方自体の変化」を先取りして社会の要請に応える人材輩出を実現できる大学と、旧態のまま身動きが取れずにいる大学とでは、今後どのような「差」が生じるのだろうか。保護者にとって大学の未来は、「我が子の将来」に直結する重大事項だ。今回は「オンライン講義」を中心的テーマとして据えながら、大学の未来予想を展開してみたい。
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