仕事のできない人は事実が何かをわかってない 思い込みにとらわれてると重要なことを見逃す

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私が不思議と書いたのは、これほど社会貢献活動の意識が高まっているにもかかわらず、献血に関わる若者の率が低下していることだ。見えないかもしれないが、確実に誰かを助ける行為である献血において若者の比率が高まっていると考えた私は思い込みを抱いていたようだ。

私の考えは古いと批判されるだろうが、社会人であれば、属するその企業の製品やサービスを広めたい、というのが先ではないだろうか。また自分ができる範囲のことを一生懸命やるのがいちばんの社会貢献ではないだろうか。

思い込みを脱することが稼ぐことにつながる

ところで私はできるだけ自分も思い込みを脱するために、データを照らし合わせながら事象を検証するようにしてきた。

拙著『稼ぐ人は思い込みを捨てる。みんなの常識から抜け出して日本の真実を見るスキル』でも詳しく解説しているが、たとえば私の思い込みでいえば、次のとおりだ。

・日本は起業数・開業率が少ない→実際は米国と大差がない

・日本人は会社を愛している→日本人ほど愛社精神がない国民は珍しい

・中国の食品品質は悪い→中国は良質な食品を供給してくれている

『稼ぐ人は思い込みを捨てる。 みんなの常識から抜け出して日本の真実を見るスキル』(幻冬舎)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

・企業は努力によって利益率を向上できる→どの分野を選んだかで利益は決まる

・日本人はリスクを避ける国民だ→日本人ほどリスクを好む国民はいない

・厳冬・酷暑などの気候条件によって、たとえば衣類関係企業の利益に影響が出る→気候とは関係がない

・日本企業は閉鎖的である→日本企業ほど開放された組織はない

など、次々と面白い事実がわかってきた。もちろん私もまだ思い込みにとらわれているだろう。しかし、その思い込みをもっているかもしれないと自覚することがビジネスの革新につながるのではないだろうか。

そして何よりも、フェイクニュースが蔓延するなか、まずはデータと事実に触れることをお勧めしたい。そういえば、英・サッチャー元首相は「What are the facts?(事実は何?)」が口癖だった。

人間は思い込みをもつのは避けられない。ただ、事実は何だろうか?

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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