子供は大学費用をどこまで自分で負担すべきか 親が老後貧乏にならないための計算方法がある

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今や大学生の2人に1人が奨学金を借りている時代。子供の負担を一定に抑え、なおかつ両親の老後の生活も一定水準を保つための計算方法がある(写真:zak/PIXTA)
高2女子の大里花実(17歳)は、新型コロナをきっかけに、人生についていろいろ考え始めた。すると自分がいかに世間知らずでお金のことも知らなすぎることに気づいた。最終回の第7回は「子供はどの程度自分で大学の費用を出すべきか」について。
第1回 JKだって超知りたい「大学はいくらかかるのか」
第2回 「大学費用1000万、20年返済」なら毎月いくらか
第3回 親は「子供の大学費用」をどれくらい出すべきか
第4回 教育費が足りない家庭が実行すべき3つの計画
第5回 誰でもできる「人生に絶対必要なお金」の貯め方
第6回 子供の教育費を払いながら老後資金を貯める方法

花実には、今でも数カ月前に読んだベストセラー『ライフシフト』の衝撃が残っている。「人生100年時代」――。今までは大学に入って、いいところに就職してキャリアを積んで……くらいまでしか考えてなかったけど、なんと、これから自分はあと83年も生きるのだ。

無理に教育費を出せば「老後貧乏」が待っている

いわば「100年生き抜く力を手に入れろ」というこの指南書に、「人生のステージごとに新しい能力を身に付けて活躍するわけか……。まるで『ポケモンGO!』みたいじゃん!」と、花実はわくわくした。マルチステージの人生を生き抜くために、「まずは大学進学を!」とリケジョの花実は薬学部進学に意を強くしたのだが、そこで、改めて「お金」という現実的な問題に直面した。

コロナの影響は、大里家にも及んでいたのだ。問題になったのは「花実の進学費用と、両親の老後資金の兼ね合い」だった。教育費をかけすぎれば「両親の老後貧乏」は避けられない。

花実が所属する生活科学クラブの顧問で、ファイナンシャルプランナーのロンドン・エマ先生によると、長く続いたデフレ下でも教育費だけは毎年しっかり上がってきた。社会保険料や税金が上がり、手取り収入が増えない中、今や学生支援機構の奨学金利用者は、大学生のおおむね2人に1人と想定されているのだという。

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