子供は大学費用をどこまで自分で負担すべきか 親が老後貧乏にならないための計算方法がある
第2回 「大学費用1000万、20年返済」なら毎月いくらか
第3回 親は「子供の大学費用」をどれくらい出すべきか
第4回 教育費が足りない家庭が実行すべき3つの計画
第5回 誰でもできる「人生に絶対必要なお金」の貯め方
第6回 子供の教育費を払いながら老後資金を貯める方法
花実には、今でも数カ月前に読んだベストセラー『ライフシフト』の衝撃が残っている。「人生100年時代」――。今までは大学に入って、いいところに就職してキャリアを積んで……くらいまでしか考えてなかったけど、なんと、これから自分はあと83年も生きるのだ。
無理に教育費を出せば「老後貧乏」が待っている
いわば「100年生き抜く力を手に入れろ」というこの指南書に、「人生のステージごとに新しい能力を身に付けて活躍するわけか……。まるで『ポケモンGO!』みたいじゃん!」と、花実はわくわくした。マルチステージの人生を生き抜くために、「まずは大学進学を!」とリケジョの花実は薬学部進学に意を強くしたのだが、そこで、改めて「お金」という現実的な問題に直面した。
コロナの影響は、大里家にも及んでいたのだ。問題になったのは「花実の進学費用と、両親の老後資金の兼ね合い」だった。教育費をかけすぎれば「両親の老後貧乏」は避けられない。
花実が所属する生活科学クラブの顧問で、ファイナンシャルプランナーのロンドン・エマ先生によると、長く続いたデフレ下でも教育費だけは毎年しっかり上がってきた。社会保険料や税金が上がり、手取り収入が増えない中、今や学生支援機構の奨学金利用者は、大学生のおおむね2人に1人と想定されているのだという。
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