子供は大学費用をどこまで自分で負担すべきか 親が老後貧乏にならないための計算方法がある
「確かに」と花実も思う。奨学金の借り入れ金額は、「ギリ500万円」というところか。花実が学費を負担すると、パパたちの「現在貯蓄額(A)」は−800万円になるが、必要貯蓄率は22%。うーん。親たちの、現役時代のきつさも、あんまり変わらないなぁ。エマ先生どうすればいいの?
「例えば老後生活費率を5%下げてもらうと、毎月使える生活費は最初の設定の33万円から2万円減って31万円になっちゃうけど、必要貯蓄率は約18%。4ポイント下がるわね……」
「こんなふうに、いろいろシミュレーションして、お互いに無理のないところで、借り入れ金額を決めればいいと思うの。どうかしら」
「そだね! お互いに、人生100年時代、長期的な視点でお金の計画をすることが大切なんだね。エマ先生、ありがとう。今夜、もう1回、両親と話し合ってみる!」
コロナ禍で、収入が減ってしまった大里家。両親だけに負担を負わせることにならないように、また、自分の将来もお金の計画もちゃんと考えて結論を出したいと、改めて思う花実なのだった(参考:人生設計の公式の計算ツールはこちらをお使いください)。
教育費は「長期での貯蓄計画」が物をいう
教育費は、家計において負担の大きい支出です。しかし、必要になる時期も決まっているため、長期での貯蓄計画を立てることができます。ぜひ家族で話し合いをしましょう。
また、まだお子さんの小さいご家庭は、まずは「児童手当」を全額貯蓄するようにしましょう。
「児童手当」とは、中学終了前の児童を対象に、児童を養育している父母その他保護者に支給されます。月を単位として、3歳未満の児童は1人つき1万5000円、3歳以上小学校終了前の児童は、第1子、第2子は1人につき1万円、第3子は1万5000円、小学校終了後中学校終了前の児童は1人につき1万円が支給されます。
請求の窓口はお住まいの区市町村(公務員の人は共済の窓口〈勤務先〉)です。支給月は2月、6月、10月の3回払いです。仮に、子供1人の場合、産後15日以内に届けた場合は、総額198万円になります。
なお、所得制限により児童手当が支給されない場合、当分の間、中学校終了前の児童1人につき月額5000円の特例給付が行われます。
また、教育資金を貯めるために学資保険に入る人もいますが、近年の低金利で、学資保険の運用利回りも低下しています。かつ、学資保険は保障もありますので、その分の保険料がかかり、効率的にお金を貯められません。教育費を貯めるために生命保険に加入するのは得策ではありません。「教育のために」など、お金に色をつける発想をやめ、必要貯蓄率を適切なお金の置き場所で合理的に貯めて増やしていきましょう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら