おカネの相談をいただいているとわかるのですが、共働きの夫婦は「お財布が別」という人が圧倒的多数です。
「お互いの収入を正確には知らない」「貯蓄は別々にしているので相手の貯蓄額はわからない」などといったお話をよく聞きます。収入の中から「生活費」として月々数万円ずつ出し合って、それ以外は自由に管理しているという、「ブラックボックス家計」です。共働きの皆さんはいかがでしょうか。南條和希さん(35歳・会社員)樹里さん(34歳・会社員)ご夫婦の相談を元に、そんな「ブラックボックス家計」について考えてみましょう。
結婚して2年、出産前なのに夫の年収も貯蓄額も「謎」
ご相談に来たのは妻の樹里さん。出産の予定もあり、家計を見直したいというご相談です。ご自身の現在の年収は約500万円、現在の貯蓄額は200万円だそうです。新卒で入社をして12年ですので、これまで平均で年間16万円ほどしか貯蓄ができていない計算になります。結婚したのは2年前ですが、いまだに和希さんの年収も貯蓄額も正確には知らないそうです。
「不安ではないですか?」と伺うと、樹里さん自身も、夫に自分の収入や貯蓄額を知られるのは嫌だから秘密にしているのだと言います。
「え、そんなにもらっているのに、貯金がたったそれだけ?」と思われたくないそうです。私は「なるほど、気持ちはわかります。でも、実際に貯蓄額が多いのは家計を1つにして、『ガラス張り』にしている家計ですよ」と伝えたところ、樹里さんは「えっ!」と驚いていました。
では、なぜ、「ブラックボックス家計」ではおカネが貯まらないのでしょう。大きく言って、理由は2つあります。
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