「老害」が組織をダメにするという根本的誤解 高齢化に適応できない日本企業のジレンマ

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「老いなき世界」を社会はどう迎え、ビジネスはどうシフトし、私たちはどう生きるべきか(写真:Rawpixel/PIXTA)

人生100年時代とも言われるように、人類はかつてないほど長生きするようになった。しかし、私たちはよりよく生きるようになったと言えるのだろうか?
もし、いくつになっても若い体や心のままで生きることが可能となったとき、社会、ビジネス、あなたの人生はどう変わるのだろうか?

待望の日本語版が刊行された『LIFESPAN(ライフスパン)』で、老化研究の第一人者であるデビッド・A・シンクレア氏(ハーバード大学医学大学院遺伝学教授)は、人類が「老いない身体」を手に入れる未来がすぐそこに迫っていることを示す。

「人々の年齢が老いるから、社会や会社がダメになるわけではない。会社組織そのものが新陳代謝できていれば、イノベーションは起こすことができる」──そう語るジャーナリストの佐々木俊尚氏は、「いつまでも若く健康なまま生きられる」未来をどう見るのか。話を聞いた。

「年相応」という概念は消滅しつつある

「老いがなくなる」と言われても、にわかに信じられないという人も大勢いるでしょう。しかし、考えてみれば、半世紀前と比較して明らかに健康寿命は延びていて、「若い」と言える年齢もどんどん上がってきています。

『LIFESPAN ライフスパン:老いなき世界』特設サイトはこちら(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

「人はいつから中年なのか」という問いに対して、ネット上では「老眼になったら中年だ」と言われていたりもしますが、僕が20代だった1980年代は、30代になれば「おじさん、おばさん」と見なされていました。しかし、いまでは30代なんてまだまだ若者ですよね。

さらに遡ると、1950~60年頃の手塚治虫の漫画には、杖をついたヨボヨボのおばあさんが、61歳という設定で登場します。いま、61歳でヨボヨボの人なんて滅多にいません。個人差はあるにせよ、75歳ぐらいの後期高齢者になって、ようやく「おじいさん、おばあさん」という呼称がしっくりくるのが現代でしょう。

こういった現象は、身体だけでなく、精神年齢にも及んでいるように感じます。例えば、終戦直後の日本には、20代、30代が激減してしまった時期がありました。当時の大衆文学作家・源氏鶏太の作品に『三等重役』という連作短編集があります。上司がみんな死んでしまったので、20代の若手平社員が重役になって悪戦苦闘するという話です。

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