26歳アイドル「私を襲った"地獄"のような痛み」 猪狩ともか「凶器のような重さに押し潰され…」

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入院翌日からリハビリが始まりました。

「これだけの大ケガをして、翌日からリハビリ?」と驚かれるかもしれませんが、リハビリといっても、最初はベッドに寝た状態のまま脚のストレッチをしてもらったり、ハンドグリッパーで握力を鍛えたりといった程度。身体を大きく動かすものではありませんでした。

その後、「HCU(高度治療室)」に移り、しばらくはベッドの上でリハビリをしていましたが、入院から約2週間後にリハビリ室でのリハビリが始まりました。

「今まで普通にできたこと」が、とんでもなく困難に…

リハビリ室での初めてのメニューは「長座位」でした。長座位とは、脚を伸ばして座ることです。

リハビリで小さな成功体験を積み重ねたことが、自信につながっていきました(写真:著者提供)

リハビリはリハビリ台の上で行うのですが、最初は自力でリハビリ台まで移ることすらできませんでした

「トランスファーボード」というものを使い、手伝ってもらいながら、そこにお尻を滑らすように移動しました。

今までなら、なんということもない動きが、脚が動かないというだけでビックリするほど難しいのです。時間もかかります

それからストレッチや筋トレと並行して、

・寝返りの練習
・起き上がる練習
・手で脚を持ち上げる練習
・端座位(椅子やベッドの端に腰を下ろして座る)の練習
・車椅子からリハビリ台への移乗

なども1つひとつ練習していきました。

これらも「普通だったらなんということもない動き」なのですが、下半身が動かない状況においては、「とんでもなく大変な作業」になってしまうのです。

今まで気づかなかったけれど、「起き上がる」という行動1つとっても、下半身を使っていたことを改めて実感しました。

余談ですが、「リハ」といえば、以前の私にとっては「リハーサル」でした。 それが「リハ」といえば「リハビリ」になってしまったのです。

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