26歳アイドル「私を襲った"地獄"のような痛み」 猪狩ともか「凶器のような重さに押し潰され…」

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術後は痛みとの戦いでしたが、リハビリを重ね、徐々に回復していく過程で精神的な落ち着きを取り戻していきました(写真:著者提供)  
東京都より「パラ応援大使」に任命され、「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会」メンバーでもある、「仮面女子」のアイドル、猪狩ともか。
彼女は26歳のある日、強風で倒れてきた看板の下敷きになり、脊髄損傷を負って、以後、下半身不随に。歩くことはもちろん、自力で立つことさえできなくなった。
絶対安静の状態からリハビリを経て、車椅子に乗りながらアイドル復帰を果たし、現在は、NHK Eテレ『パラマニア』にレギュラー出演するなど、活動の場を広げている。
初の著書『100%の前向き思考――生きていたら何だってできる! 一歩ずつ前に進むための55の言葉』が『スイモクチャンネル』(BS-TBS、8月20日放送)や『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(文化放送、8月21日放送)でも紹介され、反響を呼んでいる猪狩ともかさんは、いったいどのようにして「前を向く」ことができたのか。
彼女が経験した、事故による痛みと、そこからの回復、そして「前向き思考」の源泉を、本書を再編集して紹介する。

毎日ほとんど終電の日々

26歳アイドル『あの日、私を襲った事故』の真実」でも述べましたが、「仮面女子」というアイドルグループに所属する私は、26歳のある日、秋葉原のステージに向かう途中、強風で倒れてきた看板の下敷きになりました。

『100%の前向き思考――生きていたら何だってできる! 一歩ずつ前に進むための55の言葉』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

突然の事故によって「脊髄損傷」を負った私は、それによって下半身不随に。歩くことはもちろん、自力で立つことさえできなくなりました

あの日、急に強い突風が吹いて、左手の看板がガタガタ鳴っているのが、歩きながら、なんとなく目の端に入りました。

「今日は風が強いな」そう思っていた次の瞬間、私は看板の下敷きになっていました。一瞬のことでした。

まず感じたのは、痛みよりも、看板の重さでした。看板は木製で「重さ数百キロ」もあったようです。

看板が重たくて、苦しくて苦しくて……。息ができない。経験したことのない、ありえない、凶器のような重さでした。

周りの人が助けてくださり、うつぶせの私を見て、仰向けにしてくれました。そのときです。「痛~~~~~ッ!!!」。今までに感じたことのない、信じられないほどの激痛が腰に走り、私は思わず絶叫していました。

「なんでこんなに痛いの!?」。気が遠くなるほどの痛みでした。

駆けつけた救急隊員によって、すぐに病院に運ばれた私は、救急車の中で、ずっと「息が苦しい」と訴えていました。車の中で酸素マスクがつけられましたが、ラクになることはありませんでした。

大学病院に搬送され、緊急手術は6時間にも及び、終わったのは深夜2時頃でした。

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