26歳アイドル「私を襲った"地獄"のような痛み」 猪狩ともか「凶器のような重さに押し潰され…」
術後は「痛みとの戦い」でした。4カ所も骨折していたし、手術の傷跡もあるし、何をするにも「痛い!痛い!」ばかり言っていました。痛み止めは処方されていましたが、それでも痛くてたまらないのです。
自分では寝返りが打てないので、褥瘡(じょくそう)ができないように、時々看護師さんに身体の向きを変えてもらうのですが、このときがもう痛くて痛くて……。
少し身体を動かすだけでも傷口が痛み、一苦労でした。痛みに効く最大の薬は「時間」だったので、とにかく待つしかありませんでした。
食べることが、あれだけ大好きだったのに…
「痛み」と同じぐらいつらかったのが「気持ちが悪くなること」。強い痛み止めの点滴を打たれていたため、その副作用でした。
痛み止めを打ってもらわないと痛い、でも痛み止めを打つと気持ち悪い……。これが本当につらかったです。普通にしていても、急に気持ちが悪くなってしまうこともありました。
それと大変なのが「食事」。食べると、気持ちが悪くなってしまうのです。
さらには食べるために上体を起こすのですが、同じ姿勢を続けていると、それでまた気持ちが悪くなってしまいます。「食事」という行為は「座る×食べる」という、私にとって「気持ち悪くなる要素」が2つ掛け合わさる作業でした。
「食べないと元気にならない」と頑張って食べようと思うのですが、最初のうちはほとんど食事がとれず、吐き気もあって、何度もリバース……。
あんなにも食べることが大好きだったのに……。食事がとりわけ、つらい時間になってしまいました。
その後、痛みは傷が回復するにつれ、軽減してきましたが、この気持ち悪くなったり、吐き気がするのは退院後も長く続きました。のちに何度も検査しましたが、原因は不明。どうやら、ケガによる弊害のようでした。
下半身が動かないこと、寝ている時間が増えたことで、血行が悪くなっていることが大きいようです。また食後は消化のために身体の機能がもっていかれるから、その分、気持ち悪くなってしまうという説明でした。貧血もあり、「もう少しで輸血が必要なレベル」と言われ、薬が処方されました。
このときの私は、まさに満身創痍の状態でした。
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